地球大学特別プログラムリポート:5か国12名と考える「多民族アジアにおける社会の結束」
2014年10月3日(金)から10月14日(火)にかけての12日間、第84回ピースボート地球一周の船旅にて、ピースボート地球大学特別プログラム「多民族アジアにおける社会の結束」を実施しました。
- プロジェクト: 地球大学
- 寄港地エリア: アジア
- クルーズ: 第84回 地球一周の船旅
船
2014.11.11
2019.3.26
2014年10月3日(金)から10月14日(火)にかけての12日間、第84回ピースボート地球一周の船旅にて、ピースボート地球大学特別プログラム「多民族アジアにおける社会の結束」を実施しました。
これはピースボートが初めて取り組んだ英語を共通語とするグローバル人材育成プログラムです。5か国から12名の参加者が集まり、スリランカからカンボジアまで航海しながら、紛争後の和解や開発・発展、移民問題や法制度の整備など、アジアが抱える様々な問題について学び、考えました。
今回行われた地球大学特別プログラムに参加したのは日本、スリランカ、ミャンマー(ビルマ)、フィリピン、アメリカ合衆国の18歳から29歳の若者12名です。
日本からの5名の参加者は東京外国語大学の学生で、「『コンフリクト耐性』を育てる地域研究教育システムの開発と、国際職業人教育機能の高度化」という事業の一環としてこのプログラムを履修しました。
すでに平和構築の問題に仕事として関わる若者も多く、スリランカの参加者のうち2名はSri Lanka Unites(スリランカ・ユナイト)、ミャンマー(ビルマ)からの参加者はBurma Partnership(ビルマ・パートナーシップ)と、それぞれ市民団体を代表しての参加となりました。
今回行われた地球大学特別プログラムに参加したのは日本、スリランカ、ミャンマー(ビルマ)、フィリピン、アメリカ合衆国の18歳から29歳の若者12名です。
日本からの5名の参加者は東京外国語大学の学生で、「『コンフリクト耐性』を育てる地域研究教育システムの開発と、国際職業人教育機能の高度化」という事業の一環としてこのプログラムを履修しました。
すでに平和構築の問題に仕事として関わる若者も多く、スリランカの参加者のうち2名はSri Lanka Unites(スリランカ・ユナイト)、ミャンマー(ビルマ)からの参加者はBurma Partnership(ビルマ・パートナーシップ)と、それぞれ市民団体を代表しての参加となりました。
「社会の結束(social cohesion)」がテーマとなったこのプログラムでは、紛争後のスリランカ、民主主義への道を歩むミャンマー(ビルマ)、移民問題に直面するシンガポール、そして大虐殺後の社会の再構築を図るカンボジアをケースとして扱いました。
スリランカの人権弁護士のマリオ・ゴメスさんがナビゲーターとなり、社会の結束がどのようにしたら成し遂げられるのか、どのような要素が健全な社会の結束を阻むのかなどを連日考えました。バックグラウンドの異なる若者が集まったことで、ひとつのテーマに関して様々な角度から意見や分析が交わされ、どの参加者にとっても自分の視点とは異なる視点に気づかされる貴重な機会となったようです。
スリランカの人権弁護士のマリオ・ゴメスさんがナビゲーターとなり、社会の結束がどのようにしたら成し遂げられるのか、どのような要素が健全な社会の結束を阻むのかなどを連日考えました。バックグラウンドの異なる若者が集まったことで、ひとつのテーマに関して様々な角度から意見や分析が交わされ、どの参加者にとっても自分の視点とは異なる視点に気づかされる貴重な機会となったようです。
コロンボ(スリランカ)、シンガポール、プノンペン(カンボジア)の3つの寄港地では、洋上で学んだことの理解を、現地の生の声を聞きながらさらに深めていきました。
スリランカではシンクタンクや市民団体への聞き取りを行い、紛争後の社会が抱える課題を知りました。シンガポールではアジア欧州財団を訪れ、国際社会と市民団体のつながりについて学んだほか、バングラデシュからシンガポールに出稼ぎ労働者としてやってきている人たちに話を聞きました。
スリランカではシンクタンクや市民団体への聞き取りを行い、紛争後の社会が抱える課題を知りました。シンガポールではアジア欧州財団を訪れ、国際社会と市民団体のつながりについて学んだほか、バングラデシュからシンガポールに出稼ぎ労働者としてやってきている人たちに話を聞きました。
カンボジアではポルポト政権下でツール・スレーン刑務所に入れられ、生き残った7名のうちの一人に証言を聞いたり、虐殺が行われたキリングフィールドを訪れたりしました。また、法学教育という形でカンボジアの人材育成に寄与する在プノンンペン名古屋大学日本法教育研究センターで交流を行ったほか、開発問題に取り組むユース団体をとりまとめるCooperation Committee for Cambodia (CCC、カンボジア協力委員会)とのシンポジウムも行われました。
プログラム最後には、学びを振り返るため、仮想の国である「Taprobane」の紛争後の和解のあり方についてシュミレーションを行いました。参加者それぞれが、民族グループの代表、市民団体の代表者、仲裁者、ジャーナリストに分かれ、どのような和解のプロセスが適切なのか、「真実委員会」や「恩赦」などといった選択肢を吟味しながら話し合いを進めていきました。
プログラム最後には、学びを振り返るため、仮想の国である「Taprobane」の紛争後の和解のあり方についてシュミレーションを行いました。参加者それぞれが、民族グループの代表、市民団体の代表者、仲裁者、ジャーナリストに分かれ、どのような和解のプロセスが適切なのか、「真実委員会」や「恩赦」などといった選択肢を吟味しながら話し合いを進めていきました。
参加者の一人は、「平和構築や和解は自分たちが思っているほど単純ではなかったけれど、現実に目を向けて若者が行動を起こさなければ何も変わらない」とプログラムの終わりに語っていました。このプログラムを通して考えたこと、学んだこと、感じたことは確実に彼らの次の一歩につながるのではないか、そのような手ごたえを感じた2週間となりました。