シンガポールの教育事情 – シンガポール
ここでは、第92回地球一周の船旅で実施した教員養成プログラム「グローバル・ティーチャーズ・カレッジ」がシンガポールで行ったフィールドワークを紹介します。
- プロジェクト: SDGs キャンペーン
- 寄港地エリア: アジア
- クルーズ: 第92回 地球一周の船旅
- 関連キーワード: 子ども / 教育 / 異文化交流
船
2018.3.8
2020.9.15
ここでは、第92回地球一周の船旅で実施した教員養成プログラム「グローバル・ティーチャーズ・カレッジ」がシンガポールで行ったフィールドワークを紹介します。
海の上の教員養成プログラム「グローバル・ティーチャーズ・カレッジ」
第92回ピースボート地球一周の船旅の洋上で、海の上の教員養成プログラム「グローバル・ティーチャーズ・カレッジ」(以下GTC)が実施されました。このプログラムは、将来教員を目指している、教育に関心があるなど、教育分野に携わっている参加者に、世界の教育について学ぶ機会を提供するものです。
このプログラムの第一期生となったのは、現職教師、元教師、そして将来教育者になりたいと考えている大学生たちでした。横浜を出港し世界を旅しながら、参加者たちは、船内でのディスカッションや訪れる国でのフィールドワークを通して、教育に対するグローバルな視野を培っていきました。
このプログラムは、大阪を拠点に活動するNPO「コアプラス」と提携して行われたものです。コアプラスは、若い先生たちや教育関係者に向けた学び合い・つながり・エンパワメントの場づくりを行なっています。
このプログラムの第一期生となったのは、現職教師、元教師、そして将来教育者になりたいと考えている大学生たちでした。横浜を出港し世界を旅しながら、参加者たちは、船内でのディスカッションや訪れる国でのフィールドワークを通して、教育に対するグローバルな視野を培っていきました。
このプログラムは、大阪を拠点に活動するNPO「コアプラス」と提携して行われたものです。コアプラスは、若い先生たちや教育関係者に向けた学び合い・つながり・エンパワメントの場づくりを行なっています。
ICTを駆使したシンガポールの教育
日本出航後最初のGTCフィールドワークは、アジアの教育の中心地、シンガポールで実施されました。プログラムはツェングア中学校の訪問から始まりました。日曜日の訪問にも関わらず、校長のエジェネ・リンさんは快く一行を受け入れてくれました。
この訪問では、まず、3人のシンガポール人の先生による模擬授業が行われ、シンガポールがどのようにICT(情報伝達技術)を効果的に活用し学習を深める教育を実践しているのかを学びました。
地理を教えるエドウィン・タン先生の模擬授業は、iPadやオンラインプラットフォームを駆使した生徒参加型の地理の授業で、アクティビティやクイズを通して、地図の縮尺の概念を教えるものでした。
数学の教科主任教師、レズリー・タンさんによる模擬授業でも、「GeoGebra」や「DESMOs」などの数学学習に特化したオンラインツールを用いて、ICTがどのように生徒中心の学習を促進するかを見せていただきました。
多くの参加者にとって、iPadを使って幾何学図形の角度を測ったりグラフを描いたりするのは初めての体験でした。
理科教師のタン・メイ・インさんのセッションでは、「テクノロジー」と「チーム基盤型学習」(Team-Based Learning, TBL/グループワークによる学習方法のこと)を融合させる意義と、学校で『Eラーニングの日』を実施することの恩恵について話してくれました。Eラーニングとは、インターネットを使って学習することを意味します。
これらの模擬授業の後、参加者たちは校内の設備を見学し、シンガポールの学校生活を垣間見ました。パソコンルームや科学室、食堂、職員室、そして裏庭の障害物コースまで見せてもらいました。
ツェングア中学校の訪問を通して、参加者はシンガポールの教育システムについて学んだだけではなく、現地の教師と友情を育むことができました。
この訪問では、まず、3人のシンガポール人の先生による模擬授業が行われ、シンガポールがどのようにICT(情報伝達技術)を効果的に活用し学習を深める教育を実践しているのかを学びました。
地理を教えるエドウィン・タン先生の模擬授業は、iPadやオンラインプラットフォームを駆使した生徒参加型の地理の授業で、アクティビティやクイズを通して、地図の縮尺の概念を教えるものでした。
数学の教科主任教師、レズリー・タンさんによる模擬授業でも、「GeoGebra」や「DESMOs」などの数学学習に特化したオンラインツールを用いて、ICTがどのように生徒中心の学習を促進するかを見せていただきました。
多くの参加者にとって、iPadを使って幾何学図形の角度を測ったりグラフを描いたりするのは初めての体験でした。
理科教師のタン・メイ・インさんのセッションでは、「テクノロジー」と「チーム基盤型学習」(Team-Based Learning, TBL/グループワークによる学習方法のこと)を融合させる意義と、学校で『Eラーニングの日』を実施することの恩恵について話してくれました。Eラーニングとは、インターネットを使って学習することを意味します。
これらの模擬授業の後、参加者たちは校内の設備を見学し、シンガポールの学校生活を垣間見ました。パソコンルームや科学室、食堂、職員室、そして裏庭の障害物コースまで見せてもらいました。
ツェングア中学校の訪問を通して、参加者はシンガポールの教育システムについて学んだだけではなく、現地の教師と友情を育むことができました。
教育について意見交換
続いて、シンガポール人教師たちをピースボート船内に招いての、対話セッションを行いました。今回のプログラムをコーディネートした、元ピースボートボランティアでシンガポールと日本の両国で教えた経験を持つウェンディー・ンさんが、現地の教師たちをゲストスピーカーとしてプログラムに招待しました。
ピースボート側の参加者もプレゼンテーションを通して、シンガポールの先生たちへ向けて日本の教育システムについて発表を行いました。ピースボートからの参加者とシンガポールの先生たちは、続いて、教育に関する様々なトピックについて自由に話し合う時間を設けました。
話し合いの中で、日本とシンガポールの教育システムの類似点や相違点が浮かび上がり、両国における生徒のストレスレベルについても比較がなされました。
小学校教師のナタリー・ブーンさんとシャーン・ガンさんは、学びを全体的にとらえ、学習者の人としての成長を促す「ホリスティック教育」の哲学と、教科ごとの学力向上の折り合いをつける難しさについて話しました。
参加者は、シンガポールという多文化の環境の中で学習態度や能力が異なる生徒に対して取られる教育アプローチについても興味を持ちました。
話し合いの中で、学校でのいじめについても触れられ、ジア・イン・チャンさんは彼女の中学校でのいじめ問題対策について話しました。この活発な話し合いを通して、参加者は、異なる環境で教育に携わる教育者の苦悩や喜びについて、貴重な学びを得ることができました。
「教育はバケツに水を汲むことではなく、心を燃やすこと」なのだと、ある詩人はいいます。今回のシンガポールでのプログラムが、GTC参加者たちの、教育について学ぶ情熱に火をつけたのは間違いありません。
ピースボート側の参加者もプレゼンテーションを通して、シンガポールの先生たちへ向けて日本の教育システムについて発表を行いました。ピースボートからの参加者とシンガポールの先生たちは、続いて、教育に関する様々なトピックについて自由に話し合う時間を設けました。
話し合いの中で、日本とシンガポールの教育システムの類似点や相違点が浮かび上がり、両国における生徒のストレスレベルについても比較がなされました。
小学校教師のナタリー・ブーンさんとシャーン・ガンさんは、学びを全体的にとらえ、学習者の人としての成長を促す「ホリスティック教育」の哲学と、教科ごとの学力向上の折り合いをつける難しさについて話しました。
参加者は、シンガポールという多文化の環境の中で学習態度や能力が異なる生徒に対して取られる教育アプローチについても興味を持ちました。
話し合いの中で、学校でのいじめについても触れられ、ジア・イン・チャンさんは彼女の中学校でのいじめ問題対策について話しました。この活発な話し合いを通して、参加者は、異なる環境で教育に携わる教育者の苦悩や喜びについて、貴重な学びを得ることができました。
「教育はバケツに水を汲むことではなく、心を燃やすこと」なのだと、ある詩人はいいます。今回のシンガポールでのプログラムが、GTC参加者たちの、教育について学ぶ情熱に火をつけたのは間違いありません。