パンフレットをでお届け
資料請求

日印原子力協定は核廃絶を掲げる日本外交を傷つける-参議院で川崎哲が意見陳述しました

日印原子力協定は核廃絶を掲げる日本外交を傷つける-参議院で川崎哲が意見陳述しました
参議院外交防衛委員会で参考人として意見陳述する川崎哲
5月30日、ピースボートの川崎哲が参議院外交防衛委員会における日印原子力協力協定の承認問題の審議で参考人として意見陳述し、同協定をこのまま承認することは「核兵器廃絶を掲げる日本外交の基本姿勢を著しく傷つけるものである」と批判しました。
INFO
参議院外交防衛委員会で参考人として意見陳述する川崎哲
5月30日、ピースボートの川崎哲が参議院外交防衛委員会における日印原子力協力協定の承認問題の審議で参考人として意見陳述し、同協定をこのまま承認することは「核兵器廃絶を掲げる日本外交の基本姿勢を著しく傷つけるものである」と批判しました。
川崎は、4人の参考人の一人として意見陳述し、次のような内容を述べました。第一に、インド・パキスタンの核軍拡競争は深刻であり、その脅威は世界的な影響を持つこと。第二に、今回の日印協定は、核爆発実験を協定停止条件としているものの、核物質生産につながる再処理の容認をしていることや、核兵器開発は核爆発実験に限定されないことなどから、きわめて不十分であること。第三に、インドの核保有を容認することは、対北朝鮮、対中国など、東アジア全体の安全保障に悪影響を与えかねないこと。第四に、この協定は、核不拡散条約(NPT)体制に対する挑戦であり、核兵器禁止条約のような普遍的な核廃絶枠組みをつくる努力にも背を向けるものであること。そして最後に、インドに原発輸出をすることじたいが深刻な倫理上の問題を提起していること。発言原稿は、以下のリンクからみることができます。

こうした反対意見にもかかわらず、同協定は6月6日の同委員会で承認されてしまいました。ただし、その承認にあたっては、以下のような内容の決議が参議院外交防衛委員会にて与野党の共同提案により挙げられています。第一に、インドが未臨界核実験を行ったことが判明した場合にも協定は終了とすること。第二に、本協定の適用を受ける核物質、設備及び技術等の最新の在庫目録を定期的に交換し、検証に努めること。第三に、インドの国内再処理施設の定期的な訪問を実施すること。第四に、これらについて政府は国会に数年に一度の頻度で報告すること。第五に、政府は、インドが「使用済燃料管理及び放射性廃棄物管理の安全に関する条約」を早期締結するよう働きかけること。第六に、政府は、インドが核実験モラトリアムを維持し包括的核実験禁止条約(CTBT)に早期に署名・批准するよう働きかけること。

これらの実施状況を継続的に監視していくことが必要です。

このレポートを読んだ方におすすめ