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守り継がれるマヤ文化 養蜂を活かした自然保護 ―コスメル

守り継がれるマヤ文化 養蜂を活かした自然保護 ―コスメル
サカブムクイの人々は、多くの効能のある蜂蜜を使う者として、蜂を神聖なものと考えている
ここでは、第88回ピースボートで訪れたメキシコ(コスメル)での交流プログラムの様子をお伝えしますメキシコ、ユカタン半島の右にある島、コズメルにあるサカブムクイ村は、人口600人。マヤ文明後期に栄えたトゥルム遺跡の最後の村の1つです。住人はマヤ文明の子孫でもあります。現在、マヤ族はメキシコで10%未満しかおらず、ピースボートがこの村を訪れるのは、この日が初めてでした。遺跡のおかげで、観光は以前から盛んですが、村を訪れる人は少なく、観光による現金収入はわずかです。
サカブムクイの人々は、多くの効能のある蜂蜜を使う者として、蜂を神聖なものと考えている
ここでは、第88回ピースボートで訪れたメキシコ(コスメル)での交流プログラムの様子をお伝えしますメキシコ、ユカタン半島の右にある島、コズメルにあるサカブムクイ村は、人口600人。マヤ文明後期に栄えたトゥルム遺跡の最後の村の1つです。住人はマヤ文明の子孫でもあります。現在、マヤ族はメキシコで10%未満しかおらず、ピースボートがこの村を訪れるのは、この日が初めてでした。遺跡のおかげで、観光は以前から盛んですが、村を訪れる人は少なく、観光による現金収入はわずかです。

トゥルム遺跡に残る最後の村

守り継がれるマヤ文化 養蜂を活かした自然保護 ―コスメル
文化の先生である、エウギリオさんは、参加者を伝統的な浄化の儀式で迎えました。
サカブムクイ村のミツバチは、カマルさんが言うとおり、彼の指から蜂蜜がしたたり、蜂を誘っているにも関わらず、刺すことはありませんでした。村人はスポイトを使い、慎重に蜂の体から蜂蜜を収穫します。カマルさんに促され、ピースボートの参加者も実践してみます。「これで、スズメバチも怖くなくなるな」誰かがささやき、あたりに不安そうな笑いがでました。参加者たちは、一瞬ためらいましたが、巣箱に近づきました。

カマルさんは、村の人々を守り彼等の経済的、社会的状況を改善するために、「文化と習慣の継承センター(Centro Silva Guarda Usos y Costumbres A.C)」という団体で働いています。沢山の観光客が村を訪れ、地域産業を活性化することが、土地の安全と、教育、医療への足がかりになると考えています。

その中でも健康はとりわけ大きな課題です。最後に行われた村の健康診断では、80%の村人が大量生産された安価な食べ物が原因で、糖尿病と栄養不良であることがわかりました。もっと、医療を身近にしたい。彼は、大きい車やバスを提供してくれる人を見つけて、村人を定期検診のために病院に連れて行こうと考えています。

3000年続く養蜂

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寄付された蜂の巣を観察する参加者
養蜂は村の主要産業です。マヤ族は3000年前から蜂蜜を薬として使っており、それは現在でも引き継がれています。昔、ハチの巣は丸太に作られ、最終的に木に穴を開けて収穫されました。現在は、メリポナ財団(Foundación de Melipona Maya)の寄付のおかげで、特別にデザインされた巣箱に作られた巣から、スポイトの様なもので蜂蜜を収穫するので、巣の損害を最小限にすることができます。

生物学者で蜂の保全に務める、グスタボさんによれば、箱を使うことにより、蜂蜜の生産量と巣の成長率が上がり、村人も維持しやすくなったとのことです。

財団は今までに、8つの村それぞれに15の巣箱を寄付しました。村には去年巣箱が届き、グスタボさんにより使用方法のレクチャーが行われました。この地域では、森林伐採と農薬は蜂にとって大きな脅威です。そこで、より多くの養蜂家を育て、地域事業を後押しすることが、環境保全につながるのです。

トウモロコシが教えてくれること

守り継がれるマヤ文化 養蜂を活かした自然保護 ―コスメル
カマルさんは参加者にマヤの人々が自然からどのように学か見せる
トゥルムの森での生活は何百年も変わらず続いているようです。茅葺き屋根の家、直火で焼くトルティージャ(トウモロコシの粉を練って焼いたパン)。電気代が高いため、参加者は暗い室内で昼食をいただきます。

昼食は、ご飯、鶏肉、カボチャとトマト、山盛りの香草とお好みでソースとタマネギ。ハンドプレスしたトルティージャは巨大なココナッツの葉っぱで蒸され、貝殻はレモネードを入れるコップとして使われます。彼らが使っているほとんどの物は、森の材料で作られていて、「自然こそがマヤ族にとって最も重要なものです」とカマルさんは言います。

博物館では、カマルさんは参加者に、4種類のトウモロコシを見せました。白、黄色、黒、茶色。「この異なる色は人々を表しています。これはトウモロコシです。色は関係ありません。私たちもみな同じ、色は関係ありません。このようにして、自然が価値を教えてくれるのです」。

村を訪れるという支援

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踊りや楽器の実演をする伝統衣装に身を包んだ若者たち
長い歴史にも関わらず、マヤ族の伝統はだんだん薄れてきています。マヤ語を話すことが差別を生む可能性もあります。しかし、差別に立ち向かい、マヤの言語を守るためにマヤ語は学校で再導入され、現在では家庭ではマヤ語が話され、学校ではマヤ語とスペイン語が教えられるようになりました。

エウギリオさんは文化的指導者で村の先生です。彼は過去2年に渡り、子供たちに消えかけているマヤ文化(儀式・音楽・お祈り)を教えてきました。儀式には平和と調和のシンボルであり、それを生み出す神聖なるハチに感謝するための「ハチダンス」があります。消えかけていたハチダンスですが、現在は沢山の子供たちがこのダンスを知っています。

参加者のために村の女の子4人がダンスを踊り、他の子供たちは木の幹で作られたドラムや巻貝を使って演奏してくれました。エイギリオさんはマヤ伝統を取り戻し、マヤ文化が地域社会に広がることを願っています。

彼等にとって、外からピースボートのようなグループを迎えることは、非常に意味があります。それは、村の伝統や文化を知ってもらうことはもちろん、手工芸んどの製品の販売ルートを持たない彼等にとっての、貴重な現金収入となるからです。

「私はあなた」

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村を去る参加者に対して、親指を合わせて旅の無事を祈りました
交流の時間はあっという間に過ぎ、お別れの時間が近づきました。

「とても嬉しいです。みなさんを迎え入れ、文化を共有することができ誇り思います。そして、是非引き続き来て欲しいです」。エウギリオさんは村を代表して気持ちを伝えてくれました。

そして最後に、参加者1人1人に対して、右の親指を合わせ行う「エネルギーの移動」というマヤ式の友情の挨拶「インラケシ(inlakesh、“私はあなた”という意味)」を行いました。「とても神秘的」、参加者の1人林田幸子さんは、初めての体験に感動を隠せない様子でした。

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