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マヤの子どもたちが通う小学校を訪問 − グアテマラ・プエルトケツァル

マヤの子どもたちが通う小学校を訪問 − グアテマラ・プエルトケツァル
ここでは、第87回ピースボートで訪れたグアテマラ・プエルトケツァルでの交流プログラムの様子をご紹介します。
ここでは、第87回ピースボートで訪れたグアテマラ・プエルトケツァルでの交流プログラムの様子をご紹介します。

朝は小学校、午後は中学校

マヤの子どもたちが通う小学校を訪問 − グアテマラ・プエルトケツァル
2015年7月、ピースボートはプエルトケツァル港に寄港しました。交流プログラム参加者は、首都グアテマラシティから20キロ南にあるビジャカナレス町の「エクトル・ロランド・チンチージャ小学校」を訪問しました。

2003年に設立されたこの小学校の近くには世界一美しいとも言われる「アティトラン湖」がある緑豊かな地域です。また、パイナップルやサトウキビ、コーヒーなどの農園もあります。

学校に通う子どもたちは6歳から13歳の約300名で、多くはマヤ民族の貧しい家庭の子どもたちです。小学校の建物はとても簡素なものですが、午後は13歳から17歳の子どもたちが学ぶ中学校・高等学校としても使用されています。グアテマラではこのように、貧しさと限られた資源の有効活用のため、学校が午前中は小学校、午後は中高等学校として使われることも珍しくありません。

何もかも足りない

マヤの子どもたちが通う小学校を訪問 − グアテマラ・プエルトケツァル
生徒たちには読み書きや勉強をするきちんとした環境がありません。現在この小学校では10名の教員が働いていますが、生徒の数にくらべて常に先生が不足気味です。教室も不足しており、16台保有しているコンピュータも教室ではなく倉庫においてあります。

机など基本的な設備も足りず、イスを机として使うなど、学業に支障をきたしています。グアテマラでは公立学校には無料で通うことができます。しかし授業料や教科書が無料でも、多くの生徒は学用品を買うことができません。鉛筆やボールペン、ノートといったものの不足はいつも困っています。

校長先生によると、通常は教育省から公立の学校に、年2回の予算が提供されています。年度初めの予算では教室やトイレの掃除用具といった日用品を購入し、2度目の予算は主に施設の修理などに利用しています。しかし、2度目の予算は政府の資金不足のせいで度々遅れています。

中南米社会に広く蔓延している汚職などの問題のため、予算が学校までおりてこないこともあります。

子どもたちの楽しみ

マヤの子どもたちが通う小学校を訪問 − グアテマラ・プエルトケツァル
そんな中で、最近子どもたちには嬉しいことがありました。この小学校に食堂ができたのです。ここでは毎朝、子どもたちに「アトレ」を提供しています。

アトレとは、トウモロコシ、砂糖、牛乳もしくは水を混ぜたグアテマラの伝統的な飲み物です。貧しいため朝食を食べずに学校に来る生徒が多いため、この栄養価の高い飲み物が子どもたちの一日の活力になっています。

お互いの文化を共有する

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一通り説明を受けたピースボートの参加者は、学校の中庭で生徒たちから歓迎を受けました。マリンバというグアテマラの伝統楽器の演奏や町の歌の合唱、さらにとても有名な「エル・グリト」と呼ばれる伝統衣装を身にまとった伝統舞踊が披露されました。

校長先生は、日本からのグループを歓迎できたことに誇りを示し、「互いが知り合い、お互いの文化を共有することができるこのような機会に恵まれることは本当に素晴らしい」と挨拶しました。

次に、参加者たちがピースボートや日本文化について説明をして、和太鼓の演奏を披露しました。その後、子どもたちが和太鼓に挑戦したり、一緒に遊んだりと、賑やかに交流をしました。

同行したピースボートスタッフは、「他の文化を知ること、世界中で友情を育むことは大変重要だと思います。このような交流が、国や言葉を超えて友情を深めてくれます」と語りました。

昼食はグアテマラの伝統料理とタマリンドのジュースをおいしくいただきました。昼食後も、お互い片言の日本語とスペイン語で、身振り手振りや熱意、笑顔を通したコミュニケーションで交流を楽しみました。

鉛筆1本の大切さ

マヤの子どもたちが通う小学校を訪問 − グアテマラ・プエルトケツァル
最後はピースボートから訪問の記念に、LUSH(ラッシュ)の石鹸を寄贈しました。イギリス発祥の自然派化粧品メーカーであるLUSHジャパンとピースボートは「ハッピーシェア地球便(Happy Share Earth Post)」という共同プロジェクトを行っています。

第87回ピースボートでは、カンボジア、インド、ロシア、ベネズエラ、グアテマラにおいて3500個に及ぶLUSHの石鹸を寄贈しました。この石鹸の贈り物に子どもたちはとても喜んでくれました。

このプログラムに参加した小学校教員の女性は「日本では子どもたちは持っている文房具をそんなに大事にしていません。でもここでは鉛筆1本1本が大切なものだとわかり、とても印象深い訪問になりました」と語りました。

また、別の参加者は、「コンピュータやタブレットといったものがこの学校にはない。資金も限られている。でも先生たちがより良いものを提供しようと努力しているのが見て取れました。物質的には貧しいけれど、子どもたちはとても幸せそうに見えました」と言いました。