ピースボート30周年記念トークイベント〜地球をまわる、未来をつくる〜を開催しました⑤
ピースボート30周年記念トークイベント〜地球をまわる、未来をつくる〜を開催しました④のつづき
宮台真司(社会学者、首都大学東京教授)
民主主義の特質は多数決ではなく、参加と包摂です。私は今、住民投票に関わる活動など、新しい民主主義とコミュニティのあり方を探る動きをしています。日本は原発の絶対安全神話に代表されるような、巨大なものに依存する社会です。思考停止的な依存型の個人しかいない日本の民主主義はデタラメです。デタラメな社会から民主主義を取り戻すのが、住民投票を含めた参加と包摂による自立の取り戻しです。
スピーチ「地球目線でデザインする未来」
ステージ上に設置されている「触れる地球」は、世界中の人々にリアルタイムの地球を目の前で見ることができる世界初の地球儀です。気象や災害、渡り鳥の移動などの移り変わりも鮮明に映し出す「触れる地球」の開発にも携わった竹村真一さんから、宇宙から見た目線で、ナビゲートしていただきました。
竹村真一(東京造形大学教授、Earth Literacy Program代表)
この「触れる地球」では、宇宙から見た地球の姿を見ることができます。リアルタイムの雲の動きも分かりますし、雲を消すことも可能です。この視点から見ると、地上には国境が引かれているわけではないことがよくわかります。また、例えば、台風は日本近海から離れるとニュースでは伝えられませんが、常に世界の何処かで起きていることがわかります。台風は災いをもたらす恐ろしいものだと考えられていますが、一方で、海をミキシングして蘇らせるという機能も持っています。台風が来なければ海が痩せるという面もあるのです。地球目線で見ると、地上から考えるものとは異なった地球のいろいろな面が見えてきます。地球から見ればゾウの上に生きるノミのような存在の私たち人間は、そういった地球の体温や体調を計りながら、共存していくためのデザインをしていかなければならないのではないでしょうか。
プレゼンテーション「エコシップ構想発進!」
最後に共同代表の吉岡達也より、夢のエコシップ構想の発表がありました。持続可能な地球一周の実現をめざして、省エネや廃棄物の削減、自然エネルギーを取り入れた世界一エコロジーな船をピースボートが造ることになります。エコシップについての詳細は、近日改めてWEBサイト上でお伝えします。
飯田哲也さん(環境エネルギー政策研究所所長)
日本の自然エネルギーの第一人者である飯田哲也さん(環境エネルギー政策研究所所長)も、エコシップ構想にアドバイザーとして協力いただくことになりました!「今では、米軍の軍艦でさえバイオ燃料で動いています。ピースボートがリサイクルを含めたエコシップになれば、ピースボート自身が小さな地球と言えるようになると思います」