ピースボート30周年記念トークイベント〜地球をまわる、未来をつくる〜を開催しました①
11月9日(土)、「ピースボート30周年記念トークイベント〜地球をまわる、未来をつくる〜」を横浜で開催いたしました。当日は、800人以上の参加者の方にお越しいただきました。ピースボート30年の歩みを振り返りつつ、これからの社会をどのように創造していくのかをテーマに、国内外から参加した多彩なゲストが登壇し、発言をいただきました。そのトークイベントの内容の一部をご報告します。
オープニングパフォーマンス
オープニングパフォーマンスでは、平和への願いが込められた小倉祇園太鼓の演奏が披露されました。小倉祇園太鼓は、ピースボート船上でたびたび実施されているもので、2005年にニューヨーク国連本部で開かれた国際会議でも、ピースボートを代表してパフォーマンスを披露しています。
パネルトーク「過去の戦争を見つめ、未来の平和をつくる」
ピースボートがアジアに船を出した理由の一つは、日本の過去の戦争の評価をめぐり、アジアとの間に歴史教科書問題が起きたことでした。かつての戦争で何が起きたかを見つめることの大切さは、第一回の航海から30年を経た現在も変わっていません。ここでは、戦争の直接の被害者や戦場を伝え続けたジャーナリスト、そして研究者の方々から、過去の戦争から学ぶべきことについて語っていただきました。
ヘザー・バウザー(米国枯葉剤被害者二世)
父はベトナム戦争に従軍して、枯葉剤を浴びました。帰国後結婚しましたが、母は2回流産して、3度めの妊娠で私が生まれました。私が生まれた時の体重は1500グラム、左足の膝から下がない状態でした。ベトナム帰還兵の家族には、このようなことがたくさん起きています。また、ベトナムに住み続けている人たちにも米兵と同様の被害を受けている人たちが大勢います。私は、そうした現状を伝えるため、声を上げ続けたいと思っています。そのような意味で、ピースボートが続けているベトナムの枯葉剤の影響を受けた子どもたちへの支援はとても重要です。
石川文洋(報道写真家)
いろんな戦場で写真を撮ってきて強く思うのは、「戦争とは殺人である」ということです。犠牲者のほとんどは民間人で、戦後も長く後遺症が残っています。
大事なことは、過去の戦争に目を向けて、戦争が起こったらどういうことになるか、という想像力を持つことです。それが戦争を防止することにつながります。戦争を引き起こす政治家は、戦場の現実をわかっていません。また、日本は過去の戦争を総括していないから、ほとんどの人が実態を知らずに議論している。それが問題です。
大事なことは、過去の戦争に目を向けて、戦争が起こったらどういうことになるか、という想像力を持つことです。それが戦争を防止することにつながります。戦争を引き起こす政治家は、戦場の現実をわかっていません。また、日本は過去の戦争を総括していないから、ほとんどの人が実態を知らずに議論している。それが問題です。
池田昭(長崎被爆者/おりづるプロジェクトに参加し、各地で証言)
ピースボートのおりづるプロジェクトで、世界中で被爆体験を語ってきました。私自身も、ベトナムやアウシュビッツの被害者の方と触れ合い、世界中に戦争被害者がたくさんいて、ひとりひとりの幸せが奪われ続けていることを実感しました。実は当初、私の個人的な被爆体験を話した所で何が変わるのかという疑問も持っていいました。しかし、各地で熱烈に関心を持って聞いてくれる人たちと触れ合い、自分のできることをしようと考えるようになりました。戦争や核兵器のない世界を実現することは、決して夢ではないと思っています。