INF条約の失効を受けてICANが声明を出しました
8月2日に中距離核戦力全廃条約(INF条約)が米ロ両国の離脱を受けて失効したことに関して、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)は以下の声明を発表しました。ピースボートはICANの国際運営団体として、引き続き被爆者の皆さんと一緒に核兵器の非人道性を訴え、核保有国を含むすべての国々に核兵器禁止条約に加わることを求めていきます。
- プロジェクト: 核廃絶
INFO
2019.8.2
2019.8.3
8月2日に中距離核戦力全廃条約(INF条約)が米ロ両国の離脱を受けて失効したことに関して、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)は以下の声明を発表しました。ピースボートはICANの国際運営団体として、引き続き被爆者の皆さんと一緒に核兵器の非人道性を訴え、核保有国を含むすべての国々に核兵器禁止条約に加わることを求めていきます。
中距離核戦力(INF)全廃条約の失効に関するICANの声明
核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)は、1987年に結ばれた中距離核戦力全廃条約(INF条約)が米国およびロシアの指導者によって無責任に壊されてしまったことを遺憾に思います。冷戦最高潮期に、この重要な二国間条約は2,600基以上のもっとも不安定な中距離ミサイルの禁止および廃棄を実現しました。それにより、世界を核戦争の崖っぷちから引き戻し、二大国間のさらなる保有核の大幅削減を促しました。
ドナルド・トランプ米国大統領とウラジミール・プーチン・ロシア大統領によるINF条約の失効は、核不拡散条約(NPT)をさらに弱体化し、世界中で核兵器使用および戦争の危険を高めるものです。
何十万もの人びとの命を奪い長期にわたり世代を超えて甚大な人的および環境上の被害をもたらした広島と長崎への核兵器の使用から、あと数日で74周年を迎えます。9つの核保有国に13,000発以上の核兵器が存在する事実、悪化の一方をたどる核保有国指導者間の関係、そして核兵器や核実験により残された恐ろしい負の遺産。これらは、このような大量破壊兵器が2度と使用されてはならないことを私たちに示しています。
核兵器がもたらす破滅的な人道上の影響を世に知らしめ、核兵器廃絶を推し進めるための国際条約の樹立に取り組んできた活動が評価され、ICANは2017年ノーベル平和賞を受賞しました。
アメリカ及びロシアの両国に対し、私たちICANは以下のことを強く求めます:
・国際人道法を含む国際法を遵守すること
・INF条約の遵守を回復し同条約を完全に履行すること
・保有核兵器をさらに大幅削減すること
・2017年に国連総会にて三分の二により採択された、国連の多国間条約である核兵器禁止条約に加わり、核兵器に依存しない安全保障を模索すること
自らの政治的目的のためなら人類共通のニーズやその生存さえ犠牲にすることもいとわない数カ国の政府やその指導者たちの手に、世界の安全保障を委ねておくことはできません。彼らがいまとっている行動やその政策は、過去半世紀の二国間条約や地域条約を土台からむしばむ行為であるだけでなく、地球全体の安全保障の未来をも脅かすものです。
ICANに加盟する世界の市民社会団体と国連加盟国の多くは、核兵器禁止条約を2020年までに発効させるために尽力しています。それはこの条約が、将来の核拡散を防ぐ努力を含む、核軍縮と安全保障の全ての側面を強化するものだからです。現在の法的ギャップを埋め、核軍縮・不拡散に関する他の国際条約を強化し、全国連加盟国による効果的な監視、執行、アカウンタビリティを打ち立てるために、包括的な核兵器の禁止と軍縮を定めた核兵器禁止条約は早急かつ完全に国際法のなかに確立されなければなりません。
問い合わせ先:
ICAN国際運営委員
川崎哲(ピースボート、日本)
問い合わせは以下の「お問い合わせ」ボタンから
ドナルド・トランプ米国大統領とウラジミール・プーチン・ロシア大統領によるINF条約の失効は、核不拡散条約(NPT)をさらに弱体化し、世界中で核兵器使用および戦争の危険を高めるものです。
何十万もの人びとの命を奪い長期にわたり世代を超えて甚大な人的および環境上の被害をもたらした広島と長崎への核兵器の使用から、あと数日で74周年を迎えます。9つの核保有国に13,000発以上の核兵器が存在する事実、悪化の一方をたどる核保有国指導者間の関係、そして核兵器や核実験により残された恐ろしい負の遺産。これらは、このような大量破壊兵器が2度と使用されてはならないことを私たちに示しています。
核兵器がもたらす破滅的な人道上の影響を世に知らしめ、核兵器廃絶を推し進めるための国際条約の樹立に取り組んできた活動が評価され、ICANは2017年ノーベル平和賞を受賞しました。
アメリカ及びロシアの両国に対し、私たちICANは以下のことを強く求めます:
・国際人道法を含む国際法を遵守すること
・INF条約の遵守を回復し同条約を完全に履行すること
・保有核兵器をさらに大幅削減すること
・2017年に国連総会にて三分の二により採択された、国連の多国間条約である核兵器禁止条約に加わり、核兵器に依存しない安全保障を模索すること
自らの政治的目的のためなら人類共通のニーズやその生存さえ犠牲にすることもいとわない数カ国の政府やその指導者たちの手に、世界の安全保障を委ねておくことはできません。彼らがいまとっている行動やその政策は、過去半世紀の二国間条約や地域条約を土台からむしばむ行為であるだけでなく、地球全体の安全保障の未来をも脅かすものです。
ICANに加盟する世界の市民社会団体と国連加盟国の多くは、核兵器禁止条約を2020年までに発効させるために尽力しています。それはこの条約が、将来の核拡散を防ぐ努力を含む、核軍縮と安全保障の全ての側面を強化するものだからです。現在の法的ギャップを埋め、核軍縮・不拡散に関する他の国際条約を強化し、全国連加盟国による効果的な監視、執行、アカウンタビリティを打ち立てるために、包括的な核兵器の禁止と軍縮を定めた核兵器禁止条約は早急かつ完全に国際法のなかに確立されなければなりません。
問い合わせ先:
ICAN国際運営委員
川崎哲(ピースボート、日本)
問い合わせは以下の「お問い合わせ」ボタンから
関連報道
INF条約失効を受けたICANの声明やピースボートの川崎哲のコメントが、以下の通り報道されています。
8月2日 朝日新聞デジタル ICAN「世界で核使用の危険高める」全廃条約が失効
8月3日 朝日新聞 INF失効「広島・長崎繰り返すのか」「時代逆戻りしかねない」ICAN川崎国際運営委員
8月3日 中国新聞 INF廃棄条約失効 地球の未来脅かす ICAN
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