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マダガスカル・貧困から抜け出すための教育支援(エホアラ)

マダガスカル・貧困から抜け出すための教育支援(エホアラ)
地域の人々はピースボートをパレードで歓迎
ここでは、第90回ピースボート地球一周の船旅で訪れたマダガスカル・エホアラでの交流プログラムの様子をご紹介します。ピースボートは2016年1月、初めてエホアラに寄港しました。マダガスカルは世界で4番目に大きな島で、「8番目の大陸」と呼ばれる事もあります。世界で最も生物多様性に恵まれた国の一つでありながら、同時に、世界の最貧困地域の一つでもあります。国連の調査によれば国民の90%が1日に2ドル以下で生活しています。
地域の人々はピースボートをパレードで歓迎
ここでは、第90回ピースボート地球一周の船旅で訪れたマダガスカル・エホアラでの交流プログラムの様子をご紹介します。ピースボートは2016年1月、初めてエホアラに寄港しました。マダガスカルは世界で4番目に大きな島で、「8番目の大陸」と呼ばれる事もあります。世界で最も生物多様性に恵まれた国の一つでありながら、同時に、世界の最貧困地域の一つでもあります。国連の調査によれば国民の90%が1日に2ドル以下で生活しています。

貧困と教育

マダガスカル・貧困から抜け出すための教育支援(エホアラ)
アザファディのボランティア活動責任者ツィナ・エンドールさん(右)
マダガスカルの南東部で、教育の改善や環境保全に取り組むNGOが「アザファディ」です。

ピースボートでは、アザファディのボランティア活動の責任者ツィナ・エンドールさんに水先案内人として乗船していただき、マダガスカルが抱える貧困問題や、貧困や教育の不足ゆえに起こる森林破壊などの状況について話してもらいました。

人々の自立が解決の糸口

マダガスカル・貧困から抜け出すための教育支援(エホアラ)
豆と米、野菜で作った伝統的な食事
アザファディは、問題の解決には人々がみずから持続可能な生計手段や生活スタイルを確立する事が必要だと考え、地域社会をサポートしています。

その中でも力を入れているのが、教育の改善です。アザファディの本拠地であるアノシー県では、65%もの人が読み書きができません。就学期の児童の50%は学校に通ったことがなく、3分の2以上の子供が小学校を卒業していないという状況です。

貧困が教育の不足を呼び、また、教育不足のために貧困から抜け出せない悪循環を続けています。このような状況を受け、アザファディは設立当初から教育問題に力を入れて取り組んでおり、これまでに24校の学校を建設し、2,000台の学習机を設置しました。

現在も進んでいる学校建設プロジェクトの一つがマナンバロ地区で行われているもので、この小さな村を訪れました。

国際ボランティアの役割

マダガスカル・貧困から抜け出すための教育支援(エホアラ)
アザファディで働く国際ボランティアたち
訪問先の村では、地域の人々やアザファディで働く国際ボランティアの方々から、プロジェクトに関するお話を聞くほか、実際に学習机の製作も行いました。

国際ボランティアの一人、イギリス人のニコラス・リンチさんによると、マダガスカルでは2009年の政治危機以来、教育については困難な時期が続いているそうです。

マダガスカルでは長期に渡って政治的に不安定な状況が続いていましたが、「ただでさえ悪い状況が、政治的クーデターの後はさらにひどくなり、貧困と環境破壊が大きく進行しました。教育関連の歳費は82%も減少しました。国際的な寄付もかなり減っています」とリンチさんは指摘します。

机1つで学校に通える子どもが増える

マダガスカル・貧困から抜け出すための教育支援(エホアラ)
アザファディが建設したマラバンボ地区の学校
アザファディは、国際ボランティアの力を借りて校舎の建設と学習机とイスの設置を行っています。

現在は年間400人から500人の生徒の入学を断らなければなりませんが、今、建設中の2つの校舎が完成すれば、もっと多くの生徒が学校に通えるようになります。

中長期に滞在し学校建設を行う国際ボランティアたちは、通常週に6日間稼働しています。

ピースボートの参加者も材木をベースにし学習机の製作を手伝いました。参加者からは「思っていたより大変でした」という声のほか、「時間がなくてもっと机が作れないのが残念。1つの机でも、2人または3人の子どもが学校に通えるようになるのが大きな違いです」といった声が聞かれました。

直接訪れることでよりよい未来へつなげる

マダガスカル・貧困から抜け出すための教育支援(エホアラ)
文化交流会でのピースボート参加者の演奏
ボランティア作業の後の式典には、マナンバロ市長のほかアノシー県知事のジュリオ・ピエロット・ラザフィンダマロ氏も駆けつけ、文化交流会を行いました。

ピースボートから支援物資として、1000本のペン、400冊のノート、イスを作るのに使った工具を贈呈しました。

交流会の終わりには、水先案内人のツィナさんは、自らの目でマダガスカルの現状を見に来た参加者に感謝の意を表明し、このような活動を継続することの重要性と、それによって地域の人々にとってより良い未来を作り上げることができるのだと強調しました。