9月16日
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愛と死のアジア/井川一久(ジャーナリスト)
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井川一久さんによる最後の講座でお話ししていただいたのは、ベトナムやカンボジアで戦争ジャーナリストとして活躍する中で共に働いた仲間たち、そして、戦争下の『人』についてでした。
「映画『地雷を踏んだらサヨウナラ』の主人公として取り上げられた、一ノ瀬泰三というカメラマンをご存じでしょうか。
私がプノンペン支局にいた当時、カメラ2・3個をぶら下げた男が突然やって来て言うのです、『インドシナで写真を撮ってピューリッツァー賞かなんかを撮りたい』と。その頃から、いってみれば彼の面倒を見ていたような関係でした。映画と事実は大きく違い、彼はシャイで、そして危険に関する意識が非常に薄かったように思います。
例えるなら、小学生がそのまま大きくなってしまったような。それも災いし、彼はアンコールワットを目指す途中、たどり着くことなく『赤色クメール』に捕らえられ殺害されてしまったのです。戦争下では、愛と別れ、喜びと悲しみが紙一重だったように思います。『いつ死ぬか分からない』という状況の中では、あらゆる感情がものすごい勢いで吹き出し、他者との関係がものすごく近くなります。記者としてではなく、一個人としてあれほど『人間』そのものを見た場所はありませんでした。」
(生間)
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