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古都フエをたずねて
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ベトナム最後の王朝となったグエン朝の都が置かれたフエ。風格ある王宮や皇帝廟が、ゆったりと流れるフォン川のほとりにたたずむ姿に、まるでタイムスリップしたかのような錯覚さえ覚える。平和を取り戻し、現在ではベトナム随一の観光都市となった21世紀の古都を訪ねた。
太平洋戦争中は日本軍が、そしてベトナム戦争中はサイゴン政府軍も使用していたというトーチカの残るハイバン峠。くねくねの細い道が続くだけに事故も非常に多いらしく、道路沿いには亡くなった方を弔うロウソクが。
峠の頂上付近から見た景色にウットリ。ここを越えればいよいよ目指すフエ。
清流フォン川のボートツアー。ベトナムでは「ドラゴンフルーツ」や「ドラゴンボート」といった「ドラゴン」の名をよく耳にする。どうやらベトナム人、何にでも「ドラゴン」とつけるのが好きらしい。ゆったりとした流れのフォン川を、カラフルなボートで進む。
ボートからは、小舟に乗って釣りをする人たちや、洗濯をする人たちなど、ベトナムの日常の風景を見ることができた。緑豊かな景色と、穏やかにふく風を受けながらゆったりした時間を過ごした。
1601年に建てられたティエンムー寺はフエのシンボル的な建造物。その名は「幸福と天の恵み」を意味する。高さ約21m、八角形で七層の塔は、各層に仏像が安置されている。塔の姿はフォン川からも眺めることができ、とてもきれいだった。
かつてのグエン朝王宮はとても広く壮麗で、どことなく優雅な雰囲気が漂う。その正面にあるのが赤い屋根の建物「太和殿」。中国の紫禁城を模してつくられたというが、その規模は「ミニチュア版」といったところ。皇帝の即位式が行われていた建物で、ベトナム戦争中の1968年に破壊されたが、翌々年には再建されたという。
(上野・中井)
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