第87回地球一周の船旅の出航~核兵器廃絶に向けた対話をつむぐ歴史的イベント~
ここでは、第87回ピースボートの船内の様子をお知らせします。
2015年4月12日(日)、 第87回ピースボート地球一周の船旅の出航を見送るため、何百人もの人が横浜大さん橋に集まリました。今年は第二次世界大戦終戦から70周年。歴史的な節目ともなるこの年に、このクルーズでは海に浮かぶ「おりづるプロジェクト」の活動拠点となります。日本語以外で表現する場合、このプロジェクトは、「ヒバクシャ・プロジェクト」と呼びます。ヒバクシャとは広島、長崎に投下された原子力爆弾の被害を受けた人々です。また、世界中で、実験や事故により放射能の被曝をした人もさします。今回の船旅には8人の広島・長崎のヒバクシャが乗船しており、世界各地の寄港地で、自身の被爆体験を話します。核のない世界をめざす「おりづるプロジェクト」の地球一周の航海はこれで8回目となります。今回は特別に、世界の地方自治体のネットワークと共同で「過去と今の対話プロジェクト」も行います。
出航式では、今回乗船しているヒバクシャの中で最高齢の三宅信雄さんが代表であいさつの辞を述べました。三宅さんは原爆投下の当日、爆心地方向へ向かう路面電車に乗っていました。当時16歳でした。爆発寸前に電車から飛び降りたため、幸運にも生き残ることができました。お話の中で三宅さんは「私たちが幸せに暮らすためには、絶対に核兵器を廃絶しなければいけません。このことを広く伝えていきたいです」と語り、世界中を旅しながら自身の体験談を話すことへの意欲を覗かせました。「平和市長会議」に加盟する約6500都市の市長が協力する今回のプロジェクトでは、「未来へつなぐ」という目標を掲げています。ヒバクシャから聞いた証言やメッセージを未来へ届けられるように、日本人のユース特使3名も共に乗船し、各地で活動します。
ピースボートの船旅では、日本国内外からゲスト講師(船内では「水先案内人」と呼ぶ)を迎え、船内で講座やワークショップを行います。これはピースボートの船旅の特徴のひとつです。第87回クルーズの最初のゲスト講師として登場したのが、広島女学院客員教授で、前広島平和文化センター理事長のスティーブン・リーパー(Steven Leeper)さんです。リーパーさんは長い間、ピースボートに乗船することを夢見ていたと言います。「こんなにも人々の意識を呼び覚ますようなことを行っている組織は世界でも類を見ません。この船旅に参加することができ、とても嬉しく誇りに思います」と出航に際してのあいさつをしました。
ピースボートの船旅では、日本国内外からゲスト講師(船内では「水先案内人」と呼ぶ)を迎え、船内で講座やワークショップを行います。これはピースボートの船旅の特徴のひとつです。第87回クルーズの最初のゲスト講師として登場したのが、広島女学院客員教授で、前広島平和文化センター理事長のスティーブン・リーパー(Steven Leeper)さんです。リーパーさんは長い間、ピースボートに乗船することを夢見ていたと言います。「こんなにも人々の意識を呼び覚ますようなことを行っている組織は世界でも類を見ません。この船旅に参加することができ、とても嬉しく誇りに思います」と出航に際してのあいさつをしました。
今回の船旅には約1000人の参加者が乗船し、オーシャン・ドリーム号で地球を一周します。横浜港から約650人、翌日の4月13日には神戸港から約350人が乗船し、2回目の出航式も行われました。篠原啓クルーズディレクターの説明によると、今回の参加者の最高齢は90歳、最年少はわずか1歳。その差が89歳。まさに世代をとび超えています。横浜では5歳のヤナギカンタ君が出航式の壇上に上がり、自分自身で書いたスピーチを読み上げ感動を呼びました。カンタ君はおじいちゃんとおばあちゃんと一緒に乗船しています。一番楽しみな寄港地はアイスランドとハワイだそうです。この小さな旅人は、ピースボートが行う洋上モンテッソーリ保育園に参加する7人の子どもの一人です。この教育プログラムにより子どもたちは、世界中を旅するだけでなく、日々の生活を育ちの場とし、たくさんの人々と交流し、多くのことを学ぶことができます。
ピースボートの参加者の多くは日本出身です。しかし人数は少ないながら、40カ国の参加者が乗り合わせているため、様々な言語が飛び交い、独特の雰囲気を醸し出しています。この国際的な雰囲気の中で特に際立っているのが英語・スペイン語講師、そして通訳として乗船しているボランティア・スタッフです。彼らはオーストラリア、英国、フィリピンなど世界中から参加しています。その中でも横浜の出航式を特に楽しんでいたのは英語講師のネイト・ヴァンデウィアッド(Nate Vandeweerd )とアシュリー・パソード(Ashley Persaud) です。2人ともカナダ出身ですが、数年前から日本に住んでいて、ピースボートへの乗船は今回が初めて。「たくさんの素敵な人に出会い、多くのことを学びべることをとても楽しみにしています。そして自分にできる限り、みなさんの学びをお手伝いしたいと思っています」と語ってくれました。
第87回クルーズのもう一つの特徴は、約400名の参加者が、過去にピースボートに参加したことがあるということです。神戸の出航式に参加したカミヤカズコさんは現在84歳で、今回が6回目の参加だそうです。若いころは登山をしていましたが大きな事故を経験してからは、以前のようには体が動かなくなってしまいました。「地球を一周し、たくさんの人に出会うことが長年の夢でした。ピースボートと出会い、その夢を叶えることができました。そして参加するたびにとても幸せに感じています。」と言います。参加者の大部分が50歳以上ですが、日本の各地から多くの若者たちも元気に参加しています。
4月13日に神戸港を出港後、この船旅はまずシンガポール、インドに寄港してから、地中海へと向かいます。初夏のころには、船はバルト海を航海し、北欧の国々とロシアを訪問します。ピースボートにとって初寄港となるベルギーとドイツも訪れます。ヨーロッパ区間を抜けた後、船は中南米へと向かい、最後はハワイに寄港してから、105日間の航海を経て、7月末に日本に帰航します。第87回ピースボートの船旅は24寄港地を訪れ、5万Kmを航海します。
4月13日に神戸港を出港後、この船旅はまずシンガポール、インドに寄港してから、地中海へと向かいます。初夏のころには、船はバルト海を航海し、北欧の国々とロシアを訪問します。ピースボートにとって初寄港となるベルギーとドイツも訪れます。ヨーロッパ区間を抜けた後、船は中南米へと向かい、最後はハワイに寄港してから、105日間の航海を経て、7月末に日本に帰航します。第87回ピースボートの船旅は24寄港地を訪れ、5万Kmを航海します。