朝鮮半島に平和と非核の新時代を ー 米朝会談を受け、ピースボートが声明を発表しました
6月12日(火)にシンガポールで開催された米朝首脳会談において、両国首脳は敵対的関係を転換し朝鮮半島の平和と非核化に向けて協力することに合意しました。ピースボートはこれを歓迎し、東アジアの冷戦構造を終わらせ恒久平和と非核化を確かなものにすることを求める声明を発表しました。
- プロジェクト: 紛争予防(GPPAC)
INFO
2018.6.18
2020.9.15
6月12日(火)にシンガポールで開催された米朝首脳会談において、両国首脳は敵対的関係を転換し朝鮮半島の平和と非核化に向けて協力することに合意しました。ピースボートはこれを歓迎し、東アジアの冷戦構造を終わらせ恒久平和と非核化を確かなものにすることを求める声明を発表しました。
ピースボート声明「朝鮮半島に平和と非核の新時代を- 市民の力で切り開くとき」
ピースボートは、2018年6月12日、シンガポールで開催された米朝首脳会談で、両国首脳が敵対的関係を転換して、朝鮮半島の恒久平和と非核化に向けて協力することに合意したことを歓迎します。
朝鮮半島の人々は、日本による植民地支配、第二次世界大戦、その後の分断と朝鮮戦争という悲劇を体験しました。その朝鮮戦争は65年間もの間、終結することなく休戦状態が続くという世界的に見ても異常な状況が続いてきました。そのような中、昨年来、北朝鮮の核兵器開発および弾道ミサイル開発、そして米朝両首脳の感情的とも言える敵対的発言の応酬によって朝鮮半島での戦争の危機は頂点に達していました。
しかし、本年4月27日に行われた板門店での歴史的な南北首脳会談に続き、今回、歴史的な米朝首脳会談が成功裏に行われたことは、朝鮮半島の恒久平和と非核化に向けて大きなチャンスが訪れたと私たちは考えます。そして、一連の会談の実現には、韓国市民社会の大きな後押しを得た韓国大統領の尽力が大変重要な役割を果たしました。私たちは、こうした尽力に心よりの敬意を表したいと思います。
「過去の戦争に学び未来の平和をつくる」という理念の下で、ピースボートは、これまで35年間にわたり、韓国、北朝鮮を含めアジアそして世界中を船で巡り、平和と友好の促進を図ってきました。私たちピースボートにとっても、朝鮮半島の恒久平和と非核化は大変重要な課題であり願いです。
ピースボートはまた、国際交流の船旅と平行して、昨年ノーベル平和賞を受賞したICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)の国際運営団体として、また紛争予防国際ネットワークGPPAC(武力紛争予防のためのグローバル・パートナーシップ)の東北アジア代表として、平和と非核化のための提言活動にも取り組んできました。
私たちは、「世紀の会談」が実現した今こそ、朝鮮半島で戦争と核の悲劇が再び繰り返さないよう、市民が主体的に行動をして、一連の会談の成果を確実で後戻りしないものにしていかなければならないと強く感じています。東アジアに残る冷戦構造を真に終わらせるための行動が、いま必要です。
日本政府が2002年の日朝平壌宣言に基づいて日朝国交正常化交渉を再開することは、これまでの一連の会談の合意実現への強い追い風となります。北朝鮮による拉致問題や日本による植民地支配の過去清算など、積年の懸案事項が包括的に解決され、日朝国交正常化が実現すれば、朝鮮半島の恒久平和と非核化、そして日本を含む東アジアの安全保障にとっても計り知れない貢献となるはずです。
朝鮮半島の完全な非核化を実現するためには、昨年7月に成立した核兵器禁止条約への全ての関係国の加入を含む、包括的で公正な国際法に基づく取り組みが不可欠です。そしてそのプロセスは、核兵器の非人道性を認識して、日本や朝鮮半島で核兵器の被害を受けた人たちの権利を保障するものでなければなりません。
一連の首脳会談が真の成功へとつながるかどうかは、北朝鮮、韓国、日本、中国、ロシア、米国の各政府のみならず、世界の市民のこれからの行動にかかっていると考えます。私たちは、朝鮮半島に平和と非核の新時代を切り開くために、そのための努力を惜しまず、これからも世界の人々とつながっていきます。
2018年6月18日
ピースボート
朝鮮半島の人々は、日本による植民地支配、第二次世界大戦、その後の分断と朝鮮戦争という悲劇を体験しました。その朝鮮戦争は65年間もの間、終結することなく休戦状態が続くという世界的に見ても異常な状況が続いてきました。そのような中、昨年来、北朝鮮の核兵器開発および弾道ミサイル開発、そして米朝両首脳の感情的とも言える敵対的発言の応酬によって朝鮮半島での戦争の危機は頂点に達していました。
しかし、本年4月27日に行われた板門店での歴史的な南北首脳会談に続き、今回、歴史的な米朝首脳会談が成功裏に行われたことは、朝鮮半島の恒久平和と非核化に向けて大きなチャンスが訪れたと私たちは考えます。そして、一連の会談の実現には、韓国市民社会の大きな後押しを得た韓国大統領の尽力が大変重要な役割を果たしました。私たちは、こうした尽力に心よりの敬意を表したいと思います。
「過去の戦争に学び未来の平和をつくる」という理念の下で、ピースボートは、これまで35年間にわたり、韓国、北朝鮮を含めアジアそして世界中を船で巡り、平和と友好の促進を図ってきました。私たちピースボートにとっても、朝鮮半島の恒久平和と非核化は大変重要な課題であり願いです。
ピースボートはまた、国際交流の船旅と平行して、昨年ノーベル平和賞を受賞したICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)の国際運営団体として、また紛争予防国際ネットワークGPPAC(武力紛争予防のためのグローバル・パートナーシップ)の東北アジア代表として、平和と非核化のための提言活動にも取り組んできました。
私たちは、「世紀の会談」が実現した今こそ、朝鮮半島で戦争と核の悲劇が再び繰り返さないよう、市民が主体的に行動をして、一連の会談の成果を確実で後戻りしないものにしていかなければならないと強く感じています。東アジアに残る冷戦構造を真に終わらせるための行動が、いま必要です。
日本政府が2002年の日朝平壌宣言に基づいて日朝国交正常化交渉を再開することは、これまでの一連の会談の合意実現への強い追い風となります。北朝鮮による拉致問題や日本による植民地支配の過去清算など、積年の懸案事項が包括的に解決され、日朝国交正常化が実現すれば、朝鮮半島の恒久平和と非核化、そして日本を含む東アジアの安全保障にとっても計り知れない貢献となるはずです。
朝鮮半島の完全な非核化を実現するためには、昨年7月に成立した核兵器禁止条約への全ての関係国の加入を含む、包括的で公正な国際法に基づく取り組みが不可欠です。そしてそのプロセスは、核兵器の非人道性を認識して、日本や朝鮮半島で核兵器の被害を受けた人たちの権利を保障するものでなければなりません。
一連の首脳会談が真の成功へとつながるかどうかは、北朝鮮、韓国、日本、中国、ロシア、米国の各政府のみならず、世界の市民のこれからの行動にかかっていると考えます。私たちは、朝鮮半島に平和と非核の新時代を切り開くために、そのための努力を惜しまず、これからも世界の人々とつながっていきます。
2018年6月18日
ピースボート