第40回ピースボート地球一周クルーズレポート
ブエノスアイレス

国名
アルゼンチン共和国 (Argentine Republic)

ことば
スペイン語  
--解説--
  16世紀からスペインの支配下に。18世紀末から、クリオージョと呼ばれる現地生まれスペイン人を中心に「独立」への動きが始まる。1810年、「本国」スペインがフランスに占領されたことを受け、ブエノスアイレスで「独立」宣言がなされた(五月革命)。1816年には正式独立。19世紀末、ヨーロッパでの人口過剰と、移民受け入れの政策を受けて、スペイン、イタリアなどからの移民が大量移入する。
 20世紀に入ってからは、クーデターや軍政と民政が繰り返される政情不安の時代が続いた。1976年からの軍政時代には、多くの罪なき人々が「反体制派」として処刑、もしくは行方不明となった。1983年、ようやく民政移管が成ったものの、当時政府に連行され、今も生死すら不明のままの人々は数多く、遺族らによる抗議行動が続けられている。
 南米の中では比較的落ち着いた経済状態にあるとされ、IMF(国際通貨基金)の優等生ともいわれてきたが、2001年に政府が対外債務の支払い停止を宣言、経済破綻状態に陥った。

世界最大イグアスの滝へ
 うなるような水のとどろき、絶え間ない振動。大小300もの滝から、毎秒6万5000トンもの水が流れ落ちるという「イグアスの滝」。そのスケールはまさに世界最大級だ。
  ブラジルとアルゼンチンの国境もまたいでいるこの滝を、両側から見てしまおうという欲張りツアー。昨夜遅くのブエノスアイレス入港と今朝早くの集合ににもかかわらず、ツアー参加者の表情は期待に満ちていた。

日系青年とサッカー交流
 ブラジルと並ぶサッカー大国アルゼンチン。日本から移住した人も多く、日系人の青年もたくさんいる。そんな彼らとサッカー交流しようというこのコース。5対5でのミニサッカーに始まり、サッカースタジアム見学、街で買い物、船内でもまた交流と、とにかく交流を満喫したツアーだった。

自由行動
 はじめてのスペイン語圏で「自由行動」を試みました。食事からお買い物、人との出会い、そして街を歩く中で垣間見た、経済破綻、という現実。そんな1日を、ちょっとだけレポート。

情熱のアルゼンチンタンゴ
 1880年頃、ブエノスアイレスのボカ地区(港町)から生まれたダンス、「タンゴ」。近年、日本でも人気がでているオシャレなダンスだ。しかし生まれたばかりのタンゴは、男性同士が酒場で踊るものだったそうで、当初はその荒々しい踊りが「下品だ」なんて言われたこともあったらしい。
  このコースは、夕方のタンゴハウスに繰り出して存分にショーを楽しもうというもの。ショーが始まると、女性ダンサーの着ている深いスリットと大きく背中が開いたドレスには思わず見とれてしまう…。しかしやっぱり注目すべきは「足さばき」の速さ。その美しく激しい動きには、見ているだけで目が回りそうだ。踊りだけでなく、哀愁をおびた音楽もすばらしい。「タンゴショーを見なければアルゼンチンに来た意味がない」なんて思ってしまった夜だった。
(寺田満実子)

地球大学ブエノスアイレス
 経済危機の中にあるアルゼンチン。銀行に人々が殺到していた光景はまだまだ記憶に新しい。世界銀行のスタッフから聞く今後の対策、そして失業とインフレの中で、生活の立て直し・人間としての尊厳の回復を目指す団体「テレサ・ロドリゲス・ムーブメント」の活動現場を訪ねた。

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