世界最大イグアスの滝へ
 うなるような水のとどろき、絶え間ない振動。大小300もの滝から、毎秒6万5000トンもの水が流れ落ちるという「イグアスの滝」。そのスケールはまさに世界最大級だ。
  ブラジルとアルゼンチンの国境もまたいでいるこの滝を、両側から見てしまおうという欲張りツアー。昨夜遅くのブエノスアイレス入港と今朝早くの集合ににもかかわらず、ツアー参加者の表情は期待に満ちていた。
 飛行機、バスを乗り継いで、とうとうイグアスの滝に通じる遊歩道の入口に到着。まだこんなに離れているのに、ここまで轟音がはっきり届いてくる。早く間近で滝を見たい、という思いからか、みんな知らず知らず足早に。
 遊歩道で滝に近づく。かつて、この地を訪れたエレノア・ルーズヴェルト大統領夫人は、その大きさを見て「可哀想な私のナイアガラ」とつぶやいたという。つまり、それほど大きな滝なのだ。壮大過ぎて、驚きの言葉も出ない。水しぶきで濡れるのだって、かえって心地よい。
 「深い密林に覆われた滝周辺には“アナグマ”がいる」の事前情報を得ていた私たち。初めに行ったアルゼンチン側遊歩道では遭遇できなかったが、ブラジル側に行くとたくさんのアナグマがいる。しかも、人を見つけるたびにどんどん山から下りてくる。しましまの大きなしっぽが愛らしく、人なつこいのでつい触れたくなるが、御用心。ビニール袋を見ると餌と思って、この通り。中には飛びつかれて袋を破られる人も。人間が餌を与えたことが、こういう結果になってしまう…どこかで見た光景だ。
 さて、夕食だ。いきなりでてきたのが「パリジャータ」。これはレバーや腸詰めなど、臓物の塩焼きの盛り合わせ。 茄子だと思って食べたら「血入りソーセージ」だったり、お店の人に『これ食べると胸が大きくなるよ』と言われて「牛のおっぱい」を食べたり。とにかくボリューム満点。お腹一杯になるまで十分味わっていたら、その後にメインの「アサード(牛の丸焼きステーキ)」が。みんなの顔より大きな肉のかたまりに、みんな目が点になってしまう。
  滝だけでなく、食べ物もスケールがデカイ――そんなアルゼンチンを堪能したツアーだった。
(小林祥子、藤森美里)
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