お米プロジェクト2007〜無農薬のお米を作って船に乗せよう
  『地球にも人にもやさしい船旅づくり』――ピースボートでは、その一環として、「無農薬米」づくりを2004年春から始めました。
 1960年以降、いわゆる高度経済成長期を機に、日本の農業は大きく変わりました。農村の「過疎化」による後継者不足・高齢化、そして世界最大の穀物生産量をほこる米国からの輸入――それらによって日本の穀物自給率は低下し、化学肥料と除草剤にたよる「低コスト」で「大量生産」型の農業が中心となりました。しかし、その結果、農作物そのものの安全性が問われるようになってしまったのです。
 ピースボートは「地球にも人にもやさしく」あるために、船上で毎日食べるお米にもこだわっていきたいと思います。目指しているのは、除草剤も化学肥料も使わない、安全で、安心して食べられる、美味しいお米。このプロジェクトは、まず、そのお米を「つくる」ところから関わっていこうというものです。
 私たちがお借りしている「田んぼ」があるのは、三重県名張市。始めての収穫以来、私たちのお米は「和実(なごみ)」と名付けられ、ピースボートがコーディネイトする地球一周の船旅にも乗せています。 4年目を迎える、私たちのお米づくりの模様をお届けします!
2007年・稲刈りレポート!
 10/15〜16、10/27〜28の計4日間で行われた2007年の稲刈り。今年は総勢50名が参加。毎日の食卓に欠かせない「お米」が出来る行程に立ち会ったスタッフによる「稲刈りレポート」をお届け!→レポートはこちら
○再生紙マルチ農法とは?
再生紙マルチ農法 再生紙(=段ボール古紙)を田んぼに敷きつめ、水を張り、その上から苗を植える農法です。
 再生紙によって日光を遮断。そのため、雑草の繁殖が抑えられ、収穫まで、いっさい除草剤を使う必要がありません。同時に、再生紙は2ヶ月ほどで水に溶け、有機物として還元されます。また、普通は焼却される利用済み段ボールを再利用することで、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出を抑える効果もあります。
 この「再生紙マルチ農法」は、『環境保全型』農業として注目を集めています。
○三重県名張市に私たちの田んぼはあります。
MAP
 室生赤目青山国定公園に接する三重県名張市は、奈良県の大台ケ原連なり、美しい水と空気に恵まれる土地です。春は新緑が美しく、夏には蛍が飛び交います。この地方は比較的高地にあることから、昼夜の温度差が大きく、病害虫の発生の少ない、よいお米の産地として知られてきました。
○伊藤伝一さんの監修のもと、米作りに挑戦します。
伊藤伝一 伊藤伝一さんプロフィール:
 「虫が喜び、人が喜ぶ農業へ」をテーマに、無農薬の稲作栽培に取り組む、特定非営利法人(NPO)「日本のコメを守る会」理事。「再生紙マルチ農法」を提案し、健康で美味しいお米の生産に取り組む農家を全国的に増やす運動を行っている。また、都心部に住む人々にも農業の楽しみを知ってもらおうと、積極的に農園を開放。オーナー制を導入した「手作り農園」も実施している。
 2000年にピースボート地球一周クルーズに参加。船上で書き上げた一冊「片手に鍬(クワ)を」は日本の農業の危機を、私たちの健康の面から書いたもの。
これまでのNEWS
2006年田植えレポート!
2005年稲刈りレポート!
2005年田植えレポート!
はじめまして「なごみ」です――私たちのお米の名前が決まりました(2004年秋)
2004年稲刈りレポート!
2004年田植えレポート!