ここトゥールスレン博物館もそんな場所のひとつである。昔は収容所だったこの博物館は、のべ2万人もの人々が収容されていたが、生きて帰って来られたのがたったの7人という非常に恐ろしいところである。まず、入って目に付くのが中庭にある14つの墓。これはベトナム軍がポル・ポト派を追放した際に、ここに放置されていた遺体を埋葬したものである。そして、建物の中に入ると、実際に亡くなっていった人々がどのような形で発見されたかという写真と、当時のままの鉄のベッドと足かせが置いてある。写真を見ると、地面が濡れて見えるのは遺体の血や体液なのだそうで、未だに現場にはうっすらと血の跡が残っている。さらに順路を進むと、おびただしい数の人の顔写真が展示されている。
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拷問に使われた水ぜめの道具 |