SEA NAVI 7月20日号
「グランクリー紛争解決センター」訪問(2)

 昼食後、自然が豊富なセンターの周囲を散歩した。生い茂る緑や川のせせらぎ、壮大な牧場の風景を見ながら歩き自然と関わる。これもひとつのワークショップ?!
 アイルランドとの統一を望むカトリック系住民と、イギリス領であることを望むプロテスタント系住民──アイルランド社会は、今も両者の居住地域や学校、利用する店舗などは分派されている。
 「分断」という現実の上に社会が形成され、その社会に生きる人びとがいる…紛争の根が人々の生活に深く浸透している現状が、和解を困難にしている背景だという。
 ショーンさんは言う、「和解へのプロセスは紛争下で失った相手に対する"思いやり"を取り戻す作業なのです」…と。

 ワークショップの最後はディスカッション。「貧困・環境汚染・国際的なテロ・対テロ戦争という様々な紛争の種を抱えた今の世界で、私たちひとり、ひとりがピースメーカーとして何ができるか?」
 老若男女、世代を超えてアイデアを出し合ってみると、私たちにできることは身近に数多くあると実感した。

 今回ワークショップを通して、紛争の構造を知り、平和について考え意見交換する中で、政治的に和平が結ばれても人々の間に和解がなければ、真の平和は訪れないということを、実感する貴重な体験となった。

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