その地理的条件もあって、古くからさまざまな国家による支配を受けてきたキプロス。19世紀には英国の植民地となり、1960年にようやく「キプロス共和国」として独立をはたした。
しかし、独立後、人口の8割を占めるギリシャ系住民と、残りのトルコ系住民との対立が激化。1970年にはトルコ軍が「自国民保護」を名目に介入し、84年、島の北部地域が「キプロス・トルコ共和国」として建国を宣言した。
現在も、島の北部にはトルコ系住民、南部にはギリシャ系住民という「住み分け」が継続され、その境界線「グリーンライン」付近には国連軍が駐留している(国連はギリシャ系政府を「正当なキプロス政府」として認めており、「キプロス・トルコ共和国」を承認しているのはトルコ政府のみ)。今回ピースボートが訪れるリマソールは、ギリシャ系住民が暮らすキプロス南部にある港町だ。 |