▼エコロジースクール1日体験▼
キプロス西部にある、人口90人あまりの小さな村、クリトウ・テラ。私達はそこにある環境学習センターを訪問した。キプロス全土で環境に対する関心を高めるために設立された施設だが、南北に分断されたトルコ側とギリシア側両方の住民の交流を深めるという大切な役割も担っている。日本人の訪問は今回がはじめてだという、この村の「環境に関わる人たち」をレポート。
センター内でキプロスや村の自然に関するレクチャーをした後、スタッフのリンデンさんの案内で村の周辺を散策した。リンデンさんが手に持つのはチョコレートの香りがするという「キャロップ」の幹。ダイヤモンドの単位を表す「カラット」の語源になったとか。
ちなみにリンデンさんは村で4番目に若い30歳!!村には高齢者が多いので、同センターではお年寄りに代わって葡萄摘みをするなどのボランティアも募集しているとか。
野原に出てのフィールドワーク。このあたりは山火事が多いとのことで、その原因となる枯れた枝や横に延びた葉っぱを切り落とす作業を手伝った。慣れないノコギリや鋤(すき)、枝切りバサミを使っての作業にみんな四苦八苦。それでも小一時間ほどで、あたり一帯の低木がすっきりと変身!
写真は小さくてよく見えないけれど、リンデンさんが手に持っているのはカメの剥製。
最近キプロスで問題になっている環境問題のひとつは、海ガメが産卵するビーチの開発が進んでいること。孵化した子ガメは月の明かりをたよりに海に泳ぎ出していくのだが、ビーチ周辺に家を建ててしまうと、その灯りに惑わされて海に還ることができなくなってしまうのだ。
村はずれの野原を散策中。日射しは強いけれど、野原を吹きぬけるキプロスの風はとっても気持ちがよくて、高台からは自然に囲まれたのどかな村が見渡せる。1日だけの滞在がもったいないくらい、ステキな村だった。
(松本亜希)
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