第40回ピースボート地球一周クルーズレポート
リオデジャネイロ

国名
ブラジル連邦共和国 (Federative Republic of Brazil)

ことば
ポルトガル語  
--解説--
 1500年、ポルトガル人の漂着をきっかけにポルトガル領に。サトウキビのプランテーション労働力として、多数のアフリカ人労働者が連れてこられる。17世紀後半から18世紀にかけては、ダイヤモンドや金鉱山が相次いで発見され、空前の「ゴールドラッシュ」となった。
 1808年、フランスが「本国」ポルトガルに侵攻したことにより、ポルトガル王室がリオデジャネイロへ。国王が帰国したのち、1822年にポルトガル王子が「ブラジル皇帝」を名乗ってブラジルの独立を宣言。1888年には共和制へと移行した。1964年のクーデター以後軍事政権下にあったが、1985年に民政移管。現在は、ストリートチルドレンの増加に代表されるような、「世界一」とも言われる貧富の差の拡大が大きな問題となっている。

ブラジルサッカー交流
 サッカー好きなら一度は体験したい、本場ブラジルでのサッカー交流。相手は名プレーヤー・ロマーリオが所属しているプロチーム「フルミネンセ」の下部組織で活躍する、20歳以下の若い選手たち。交流前には、世界最大規模のマラカナンスタジアムも見学することができた。とにかく「サッカー漬け」な1日をレポート!

ファベーラに響く未来へのリズム
 ブラジル都市部の人口のうち、その15〜20%が「ファベーラ(スラム地区)」に住んでいるという。「ファベーラ」は、もともと職を求めて農村部からやってきた人たちが、人が住んでいなかった「空き地」、特に丘の斜面に住みついたのがはじまりだ。
  失業率は約50%にのぼり、ここで暮らす子供たちは、その貧困から将来に希望を抱けず、犯罪に走るケースも多いという。ここでは、音楽やダンスなどを通して夢や目標を持つことを教え、子供たちの目を犯罪以外に向けようと活動しているNGO「アフロヘイギ」を訪問。ファベーラの家並みを目の当たりにし、また「アフロヘイギ」の活動を知ることで、未来を担う子供たちが将来の希望を抱くことの大切さ、そして「アフロヘイギ」の果たす役割の大きさを実感する1日となった。

ブラジルの大地に息を吹き込んで
 「世界中でも貧富の差が大きい」というブラジル。16世紀から19世紀まで続いた奴隷制度時代の名残ともいえる「大土地所有制」――ほんの一部の大地主が広大な土地を独占している構図が、貧富の差が縮まらない要因のひとつだ。そんな中、土地を持たない農民が合法的に土地の所有権を得るために、大地主の所有地を占拠し交渉する「MST(土地なし労働者運動)」が各地で起こり始めている。
 その中の一つ、「自由の土地」という意味を持つ“テハ・リブレ”を訪れ、コミュニティーの人たちとの交流を楽しんだ。

リオ自由行動
 大きなキリスト像がそびえる「コルコバードの丘」。このキリスト像は、ブラジル独立100年を記念し、1931年に建設されたもの。丘の展望台からは、市内はもちろん、イパネマビーチなどの美しい海岸線、湾内に浮かぶ小島など、リオの街が一望できる。しかし、よく見ると丘の側面には、ファベーラ(スラム地区)の家々が立ち並び、高級住宅地とはっきりと分かれているのが一目でわかる。ここは、リオデジャネイロという街がよく見える、まさに「リオの象徴」というべき場所、なのだ。
(寺田満実子)

40回クルーズレポートインデックスへ