5月29日
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軍隊をなくした国〜憲法9条と不思議の国コスタリカ〜
/早乙女勝元(作家)
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今回、水先案内人・早乙女勝元さんが紹介したのは、世界が注目する貴重な自然の宝庫、中米コスタリカ共和国。この国は、1949年の憲法により軍隊を廃止し、積極的な非装永世中立宣言を掲げた。クーデターや戦争の絶えない中南米でも稀な民主主義国家であり、日本と同じく平和憲法を持つ。
この講座では、日本の憲法9条の平和主義とコスタリカの徹底した非武装永世中立との比較をしながら、コスタリカの平和憲法について説明していただいた。
「世界に戦力不保持を憲法に明文化した国が2つありますが、さて、それはどことどこの国でしょうか?1つは日本。そしてもう1つは中米の国コスタリカです。コスタリカでは憲法により軍隊がありません。『兵士の数ほど教員を増やせ!』をスローガンにして、教育や福祉に力を注いでいます。社会的弱者、女性や子供に対する人権意識が非常に高く、絶対平和を子供達に送り届けるという教育のシステムで50余年が経ちました。
コスタリカの元大統領アリアス・サンチェスに会って取材をしたとき、彼は『軍隊のない国でも「普通の国」としてやっていける。それを、21世紀に伝えていきたい。』と語っていました。
一方、日本では、新ガイドライン法の制定などにより、現実の動きが憲法9条から大きく離れていきつつあります。世界に誇るべき、なし崩し的に改定されようとしているのです。今の状況に憤りを感じ、この流れを止めていくのは、未来を担う若者の使命です。私達は沈黙してはいけません。沈黙は容認であり、共犯です。」
現在、早乙女さん企画の、コスタリカを舞台としたドキュメンタリー映画『軍隊をすてた国』が、今秋完成を目指して製作中だ。
(相馬陶子)
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朴保ライブ「Rowing a boat together」〜朴保の魂〜
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「Rowing a boat together」と題して行われた朴保バンドのライブ。韓国民謡にレゲエ、ロック、ソウルをミックスさせた朴保バンドの歌には、 「Monju」「傷痍軍人の歌」などのタイトルが示す通り、社会への怒り、叫びが込められている。彼らのメッセージに酔いしれた夜――。
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語り継ぐ東京大空襲〜私は当時12才だった〜/早乙女勝元(作家)
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戦争と平和について、数多くの著作をお持ちの早乙女勝元さんの最後の講座。3回目にあたる今回は「語り継ぐ東京大空襲」と題してその時、東京で何があったのか、当時12歳だった早乙女さんに映像を交えて話していただいた。早乙女さんは現在東京大空襲を伝える記念館建設にも取り組んでいる。
「今なぜ過去を振り返るのか。戦争を知らない世代が7割を超えた今、平和は空気のようにあって、当たり前のものになっています。しかし空気はなくなってからでは遅い。きな臭いにおいがすると思ったら声をあげなくてはいけません。歴史を知ることは現在を知ることであり、それは未来を知ることです。今こそ過去の事実をしっかり確認して自分の進む道を見つめるべきなのです。
1945年3月10日、0時8分、東京は300機以上のB29による爆撃を受けました。北風の強い夜、木と土と紙でできた当時の家々はあっという間に炎に包まれ、たった2時間半の空襲で10万人に上る人々が亡くなりました。現代の戦争においては、女性や子供、非戦闘員も攻撃を受けるのです。その悲劇を繰り返してはいけない。冷戦後、世界の軍事費は3割削減されましたが、日本では逆に25%増えています。私たちは戦争の放棄をうたった初心に戻り、学び、考えて批判精神を持っていかなくてはいけません。」
(北村美希子)
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