3月27日  ▼地球は友達〜エコヒストリー〜
/カルロス・ダビット・ミルタ(環境NGO「地球の友」メンバー)
「180万年前、人類が道具を持ち始めたことが、自然を支配していく第1歩となった。」と語るのは、環境NGO『地球の友』メンバーのカルロスさん。地球が誕生した35億年前から現代までを年表に表し、歴史的な出来事からイメージするものをイラストにして描いてゆく。それにより人類の歴史とはエコロジー(生態)の歴史でもあるということ、そして人間ひとりひとりがエコロジーの中の一部であることを理解するという、一風変わったワークショップ形式の講座が開かれた。
「私は『社会、経済は発展すべきではあるが、進歩すべきではない』と考えます。人間自身はもちろん社会も、自然が決めた時点まで発展すべきであり、それ以上望むことは自然に反することなのです。
私達が考えなければならないことは『持続可能な発展』なのです。そのためには、4つのポイントがあります。まず第1に『環境の側面』。自然のサイクルを最重要視しなければなりません。自然とともに人間もあるのですから。そして第2に『社会的な側面』。現在の世界は先進国によって支配されていますが、食料やエネルギーは、社会的正義を持って全世界へ平等に分配されなければならないはずです。そして第3に『経済的な側面』。自分たちの文化に根ざした生活に必要な経済を持つようにすることです。最後に『政治的な側面』。公共事業など大きな決断を政府にだけ任せておくのではなく、我々ひとりひとりが決心し決断する、というアクションを起こすことが重要なのです。」
(真家)
ピノチェトの時代I/ソレダット・ピノ(ジャーナリスト)
チリ出身のジャーナリスト、ソレダット・ピノさんによる講座。1973年9月11日の、ピノチェトと軍部によるクーデター、軍政時代、そして1998年の、ロンドンでのピノチェト逮捕に至るまで、約30年にわたるチリ現代史を解説していただきました。
「軍の最高指揮官だったピノチェトによるクーデターは、当時のアジェンデ大統領が進めていた社会主義的な政策を武力によって打ち壊し、市場原理に基づく社会へと変えることを目的としていました。民選とはいえ社会主義政権となったチリに、他の南米諸国が追随することを恐れたアメリカが、チリ軍部を操っていたとも言われています。
ピノチェトと彼を取り巻く『シカゴボーイズ』と呼ばれた政策集団は、民間の保険健康制度をつくり、労働者に保険料として給料の7%、民間の年金制度として給料の10%、そして運営費として2%を納めることを義務付けました。また、新たな雇用が確保され、中産階級以上の生活が向上したという一面があったのは事実です。しかしそのいっぽうで、年金受給者は受給額を10%カットされ、働いていない人は病院で薬をもらえなくなるなど、低所得者にとっては厳しい政策となりました。
また、政府は、政治集会や労働組合の結成を禁じ、さらには国民が一つの家に10人以上集まることさえも禁止しました。軍人には家宅捜索をする権利が与えられ、結果として暗殺や多くの人権侵害が起こったのです。そうした政策の下で行方不明になり、現在もその行方がわからないままの人は、3000人いると言われています。これらの人権侵害は、のちに外国での報道により明らかにされていきました。そして、『自国民が軍政下のチリで行方不明になった』と訴えるスペインの要請により、1998年にピノチェトは静養中だったイギリスで逮捕されました。2000年にはチリに帰国、現在、国内での審判を待つに至っているのです。」
(石橋)
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