3月28日  ▼地球は友達〜南米五カ国を流れる川
/ミルタ・イバーラ、ダビッド・トルドソ(環境NGO「地球の友・パラグアイ」メンバー)
ボリビアからブラジル、パラグアイ、アルゼンチン、そしてウルグアイと南米5カ国を流れるパラグアイ川とバラナ川。広大な南米大陸を縦断するこの雄大な流れに今、危機が訪れているという。大型の輸送船が通れるよう開発しようという計画が持ち上がっているのだ。環境NGO「地球の友」に所属するパラグアイ出身のおふたりが、その真相にせまった。
「川のカーブを修正して、輸送船の通過を円滑にするというこの『イドロビア・プロジェクト』によって、流域の豊かな生態系は破壊され、それに頼り生きてきた先住民族は生活基盤を奪われてしまいます。この計画によって利益を得るのは一部の企業だけで、金持ちはますます金持ちになり、そうでない人はますます貧しくなるでしょう。
私たち『地球の友』は、隠されてきたこの情報を市民に流し、そして様々なアクションを政府に対して起こすことによって『N0』の意志を示しました。この市民活動は大きな成果を呼び、現在この計画は中断されるに至っています。
本来、川が船に合わせるのではなくて、船が川にあわせるべきなのです」
(吉田)
地の果ての伝説/ソレダット・ピノ(ジャーナリスト)
大西洋と太平洋が出会う「マゼラン海峡」。1520年スペイン人が到達したころ、この地で生活をしていた先住民族『ナオ族』の間に伝わる物語をジャーナリストのソレさんが語ってくれました。ナオの人たちは、20年前に絶滅。今となっては1本のビデオテープが彼らの暮らしを伝えるののみだとか。南極に一番近い「地の果て」に暮らしていた人たちに伝わるとてもロマンチックな物語…。
「この地の代表的な果物に『カラファテ』というのがあります。これはインディヘナ(先住民)の女性の名なのです。カラファテは、素晴らしく美しい女性で、彼女の父親は娘を溺愛し、結婚の年頃になっても手放さないほどでした。
ある日、別の部族の男性が、彼女の父親に獲物を差し出し、物々交換を申し出ました。父親は、その大きな獲物を見て、若者を家に招き入れました。招待された若者とカラファテは、一目でひかれあい、2人は恋に落ちたのです。しかし、2人は別々の部族で、結婚が許されず、ついには駆け落ちの相談をしました。しかし、この密談を聞きつけた男が、父親に告げ、父親は阻止しようとシャーマンにお願いに行きました。そして、シャーマンの呪術によってカラファテは植物に変えられてしまい、二度と元には戻ることが出来ませんでした。
今でも、植物に変えられたカラファテは、夏中きれいな花を咲かせ、秋にはおいしい実をつけます。そしてこの実を食べた人は、その魅力に取り憑かれ、必ずこの地へ再びやってくるという言い伝えが残っているのです。」
(真家)
船内ニュース
写真ワークショップ
▼船内タイムテーブル▼
3月28日
▼おまけ▼
今日の海と空(3/28)
翌日のインデックスへ昨日のインデックスへクルーズレポートトップページへ