3月1日
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あのとき僕は16歳 タウンシップの生活
/ビクター・マトム(フォトジャーナリスト)
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南アフリカで国民党が政権を握り、アパルトヘイト政策をとったのは、写真家のビクター・マトムさんがソウェト(サウス・ウエスト・タウンシップ。当時の「黒人居住区」のひとつ)で生まれた1959年よりも以前のこと。生まれた頃から差別を受けてきたマトムさんは、16歳の時に起きた『ソウェト蜂起』をきっかけに、自らも反アパルトヘイト活動に身を投じたという。今回の講座では、イギリスの反アパルトヘイト団体によって制作された、1987〜88年の南アの様子を捉えた貴重なドキュメンタリービデオの上映とともに、自らの体験談を交えながら、当時の南アで何が行われていたのかをお話ししていただいた。目を覆いたくなるような事実の数々に、参加者は驚きを隠せない様子だった。
「アパルトヘイト政策下においては、多くの黒人の子供たちが逮捕され、裁判もなしに数ヶ月間拘留され、そして拷問を受けました。その逮捕の理由は何だったのかといえば『石を投げた』などの犯罪ともいえないようなケースがほとんど。しかも、警官による現場の判断のみで逮捕が可能だったのです。
こうした事実の背景には、当時白人社会もひじょうに混乱していて、黒人たちに対する大きな危機感を持っていたということがあります。彼らは我々に対して、『子供であっても容赦しない』という強硬な姿勢を印象づける必要があったのでしょう。
先ほど見ていただいたビデオに、虐待されたその痛々しい傷跡をにこやかに見せてくれた子供らが映し出されましたが、彼らは『この姿を哀れに思うのではなく、もっと力強く反アパルトヘイトのために闘おう』、そう考えていたのだと思います。私たちは心を強く持つことで闘い続けることができました。しかし、それは同時に、強い意志を持っていたというだけはでなく、自らの痛みを知る余裕すらなかったということでもあるのだと知っておいてください。」
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優言う白書展示会
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「地球大学」では、集中講座で取り上げられた各テーマについて、水先案内人のお話を聞くだけでなく、「考える」から「行動する」、そして「伝える」というように、さらに掘り下げて考えていこうというプロジェクトを開始している。
今回は、アジア区間で田中優さん(環境NGO「市民フォーラム2000」共同代表)を講師に迎えて取り組んだ『環境』についてのレポートを受講生以外にも伝えていこうという主旨の展示会が開かれた(田中『優』+モノを『言う』=タイトルになってます)。これまでの経緯を理解してもらいやすいようにとイラストやグラフなどを交えたレポートが掲示され、各寄港地で自ら足を運んだ現場の報告などもあって、ひじょうに興味深いものになっていた。
発表者の一人は、「田中優さんには、『まずは人の物をコピーしろ、次にそれに付け加える、そして最後にそこから離れて自分の意見を持て』という考え方を教わりました。今回の『環境』というテーマの中で、『自分の意見を持つ』というところまでたどり着いたつもりです。」と語ってくれた。「ゴミ処理システムをテーマにしていたので、モンバサで『スカベンジャー』と呼ばれるゴミ捨て場から再利用できる物を探して生計を立てる人々にじっさいに会ってもみました。これからは船内のゴミ処理について考えていきたい。そのことが日本に帰ってからの暮らしにも役立つはずだから」とも。ということで、環境をテーマにした活動は、田中優さんなき今後も続いていくのです。
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