2月5日 ▼セイシェル人はアフリカ人?/アシェル&ダニー(NGO「AFA」メンバー)
ラスタカラーな衣装とドレッドなヘアースタイル(年輩の方、意味不明ですんません!)で、一日にして船内有名人になったアシェルとダニー。この服、「ケンテ」というガーナの民族衣装で、これも彼らのアイデンティティーの一つ。「彼らは何者なのか?」をインタビュー形式で探っていった。
「セイシェルの人口の90%は、アフリカ系。しかし、そのうちの80%は、『自分はアフリカ人ではない。自分のルーツもアフリカにはない』と思っている、または思いたい人たちなんです。アフリカンミュージックは大好きなのに、メディアが流す戦争や飢餓などネガティブなイメージが彼らに劣等感を抱かせるのです。
学校教育でも、セイシェルの歴史は17世紀のフランス、イギリスの植民地時代からしか教えません。植民支配側からの一方的な見方です。街や通りもヨーロッパ風の名前。法律も、イギリスの植民地時代のまま。独立した今も、植民地時代の影響が色濃く残っているのです。
私たちの運営するNGO『AFA』(African Friendship Association)の活動目的は、アフリカの文化・芸術の促進。そして、アフリカとよりよい関係を築いていくために、『アフリカの大使』になりたいと思っています。アフリカの歴史は、奴隷だけじゃない。キリストの生まれる前から、紀元前、ピラミッドの時代からあります。そして、若い人たちに、たくさんの黒人のヒーロー(活動家)たちを知ってもらいたい。誇りを持って欲しい。
『過去の歴史や、自分たちの起源、そして文化についての知識のない人々は、根のない木と同じである』。私たちは、ジャマイカのマーカス・ガーベイのこの言葉に支えられています。」
(真家)
素顔の南アフリカ〜文化の魅力とその多様性
/アリソン・マスターズ(AfriCultural Tours主宰者)
これまで数々の講座を開催、大好評を得てきたアリソンさんによる最後の講座。昨年ピースボートがケープタウンを訪れた際のフェスティバルのビデオ放映や、南アフリカ独特のダンスステップの披露などをまじえ、アパルトヘイト廃絶を経て、ようやく解放されるようになった、黒人たち独自の文化について語ってくれた。
「私たち南アフリカの黒人は、何十年にもわたって抑圧されてきましたがそれは文化についてもしかりでした。アパルトヘイトの時代が幕を閉じ、それから6年の間で私たちは音楽やダンス、工芸など、自ら誇れる文化を表現し、そしてそれらを他の国々の方へ紹介できる様になったことにたいへん喜びを感じています。そして南アフリカを訪れた方に、私たちの国を理解していただくために、それらは大きな役割を果たしているはずです。
私たちの持つ文化、例えば芸術に関していえば、工芸品、歌、踊り、演劇とじつに様々なものを持ち合わせています。現在では工芸品を輸出することも可能となっており、つまりはひとつの『職業』としても成り立つようになってきています。国内の風潮として、企業を興そうとする活動が推奨されており、とくに女性の活動に対しては支援金が与えられたり、仲介する業者がマージンを取らない、利益をできるだけ搾取しないシステムなどが実施されています。
私は南アフリカの芸術を国内にとどめるだけでなく、これからも更に外へ広めてゆくために活動してゆきたいと考えています。」
(生間)
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