4月28日
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少年犯罪の「主人公」はなぜ「男」ばかりなのか
/藤井誠二(ノンフィクションライター)
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最近、少年による凶悪犯罪がクローズアップされている日本。今回の藤井誠二さんによる講座では、なぜそのような「少年犯罪」の主人公(加害者)は男ばかりなのか?という意外に見落としてしまっている点について、これまでの取材経験を通して分析・解説をしていただきました。
「1989年の女子高校生コンクリート殺人事件。まだ記憶に新しい、この前代未聞の凶悪事件を機に、日本の少年犯罪は大きく変化し始めました。90年代に入ると、それまで犯罪の大半に深く関わっていた、暴走族や暴力団といった組織の形態がだんだん崩れ、犯罪は個人によるものへと変化してゆきます。
そして、暴力自体も、『暴力を目的とした暴力』『暴力による快感・支配観を味わう暴力』へと変質しました。だから、やり返さない、絶対勝てる相手を狙うのです。そしてその「支配」の究極の形が『死』であるといえます。最近の少年犯罪には、この『支配を目的とする暴力』が深くかかわっているのです。
『自分は男だから、絶対負けちゃいけないと思っていた』という、ある少年の供述があります。また、あるいじめ事件では、1年以上もSOSを出しながら家族にも先生にも気がつかれず、『僕は死にます。こんな弱い僕を許して下さい』と自分の弱さを謝って首をつった少年がいました。私は取材の中で何百通という遺書を読みましたが、男の子の遺書は『いじめに負けた自分が悪い』『男として弱い』、ほとんどがそういった内容なんです。男だから強くなくてはいけない、負けてはならないという力への信仰がこの根底にあると思います。男性は、強くなる・出世する・学歴をつむ・金を稼ぐ等、小さい頃から親や学校・社会からすり込まれて育ち、呪縛されて生きている場合が多い。このような男らしく・女らしくという『ジェンダー神話』は害悪でしかありません。男性達には社会から要請される生き方に縛られない、自分らしい自由な生き方を考えて欲しいのです」
(真家)
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太平洋の未来〜NFIP運動とは〜/ジョシュア(フィジーNGO活動家)
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ジョシュアさんとピースボートスタッフ・伊地知との対談形式で行われたこの講座。テーマとなった「NFIP運動」とは、太平洋地域の非核化と独立を結びつけた「非核独立太平洋運動」のこと。タヒチ、ハワイ、フィジー、それぞれの島国が置かれる現状を学んできたこれまでの講座に続き、『太平洋地域』が連帯して活動を続けていく様子について解説していただきました。
「1975年、太平洋で新たに独立した国々によって、太平洋地域での非核をうたった『ラロトンガ条約』が結ばれると同時に生まれたのが『非核太平洋運動』です。この運動は後の、非核を実現するためにはまず独立が必要だと考える、NFIP(非核独立太平洋運動)へとつながりました。
多岐にわたる非核に向けての活動を進めてゆくため、NFIP運動の事務局として設置されているのがPCRC(太平洋情報センター)。活動方針は3年に一度、NFIPに関わる団体が集まる会議で決定され、現在は『非植民地化』、『先住民の土地権利・主権保護』、『持続可能な発展』、『非武装化(非核を含む)』、『環境保護』の5つのプログラムが実施されています。
太平洋における文化的、経済的な独立は達成されたと考えられています。現在、私たち太平洋諸国は世界経済の一部となっていますが、その代償として『太平洋の住人』としてのアイデンティティーが失われつつあることも事実です。今後もNFIPは太平洋の人々の団結をめざし、さらなる活動を行っていきたいと考えています。」
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