SEA NAVI 8月9日号
GPPAC国際紛争予防会議・ニューヨーク国連本部で開会
 7月19日、GPPAC国際紛争予防会議がニューヨーク国連本部で開会した。
 この会議では、世界15地域から持ち寄られた紛争予防のための行動計画が一つの提言としてまとめられる。東北アジア地域の議長を務めるピースボートも様々な形で参加したこの開会式のようすをレポートする。

 全ての紛争で傷ついた人びとへ1分間の黙祷がささげられ、会議は始まった。
 この日のために練習を続けてきたピースボートの参加者と巴会(ともえかい)による和太鼓演奏が行われ、市民の活力を表すような躍動感あるビートとともにGPPACの開会が宣言された。
 開会式では、世界15の地域の代表が、各地で抱える紛争やその背景にある社会問題にどう取り組んでいくのか、今何が大切にされるべきなのか、と次々とスピーチを行った。東北アジア地域代表のピースボート共同代表・吉岡達也は、「戦争はなくさなければならない、そのためには想像力が大切なのです」と力強くスピーチ。
 平和の実現のためには"政府の兵器コントロールへの取り組み""日本の憲法9条のような非暴力・非武装に基づく紛争予防・平和構築、および和解と歴史認識の共有をするための平和教育・非武装教育"が重要だと語った。

 また、その他にもこれまでに平和のために尽力してきた人びとによるスピーチが行われた。1997年に地雷を"世界的に違法"としたことが評価されノーベル平和賞を受賞したジョディ・ウィリアムズさんは、「9.11以降世界に広がる安全に対する考えを変えること、そして、暴力は人間の本質ではなく、あくまで一つの選択肢であり、民主主義による平和の非暴力的なモデルを呈することが大切なのです。もし私たちが国際社会でパートナーシップを作ることができれば、持続可能な平和を築けると信じています」と語り、市民が作る平和がいかに必要とされているかを訴えた。

 最後に、残念ながらこの日欠席だった国連事務総長コフィ・アナン氏の代わりに副事務総長が『国連と市民のパートナーシップを築いていくことの重要性』をテーマにしたスピーチを代読。
 これから3日間、国連では、様々な紛争モデルの解決策を見出すワークショップや会議が行われ、市民の作る平和への第一歩となることが期待される。
 この夜、船内ではGPPACの開会に伴うレセプションパーティーが開催、各国から約400名のGPPAC参加者が集まった。
 「GPPACのチャレンジは大きな夢だけれど、22年前ピースボートを始めたときの夢がこうして叶っているように、信じれば近い将来この目標も成し遂げることができる!!」と語る吉岡達也の言葉に共感を持って耳を傾けていた。ニューヨークの夜景を見ながら、世界各国の人びとが集い国際色豊かな交流が行われた夜となった。

SEA NAVI 8月9日号へ
| SEA NAVI 最新号へ