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□憲法ってなぁに?□ |
いま船内で関心の高い話題のひとつに『憲法』がある。7月15日、この『憲法』についての講座が水先案内人の憲法研究家・馬奈木厳太郎さんによって催された。題して「憲法ってなぁに?」。
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講座の中で馬奈木さんは、戦前の歴史を踏まえ、今の日本国憲法の誕生経緯、主権移譲、政教分離、戦力不保持、など、日本国憲法が持っている特徴について語り、さらに「1万円札は使わなければただの紙切れだけど、私たちがそこに1万円の価値があると確信しているから存在価値があるように、憲法もその権利を行使して初めて価値が生まれるものです。憲法改正が論議される今、社会のシナリオである憲法を私たちがどう読みこれをどう演じるかが問われています。そして、この舞台には当然観客がいて、それは第2次世界大戦で被害を受けたアジアの周辺国です。これは、私たちひとりひとりの進路や生き方に関わる大問題。こんなはずじゃなかったと後々後悔しないよう、改正は私達の生活と深く関わっているのだというコトを考えてほしいです」と締めくくった。 |
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□イラク戦争で儲かったのは一体誰?□ |
7月16日、水先案内人でニューヨーク在住のジャーナリスト・エリック・リーバーさんによる講座「イラク戦争で儲かったのは一体誰?」が催された。
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エリックさんは、イラク戦争勃発の原因、犠牲の規模、戦争に投入された費用などイラク戦争の事実を知ってもらうことが戦争を止める第一歩となると信念をもち、船内でもアメリカ人から見たイラク戦争、アメリカ国内における反戦運動について講座を開いてきた。
この講座の中でエリックさんは、イラクの戦後復興や治安維持という名目で警備会社や土建会社など多くの民間企業がアメリカ政府に雇われている状況とその背景について語った。そして、それらの活動の多くが、例えば入札のない不透明な契約などによって、当事者であるイラク市民に必ずしも恩恵をもたらしていない現状を語り、企業契約の透明化やイラク市民の手に復興活動を渡すことが必要だと語った。残念ながら、アメリカの反戦運動の多くは、アメリカ軍兵士を本土に帰還させることに躍起になり、こうした状況に目が向いていないのだという。
エリックさんは講座の最後に、「日本を含め世界中からイラク復興のために集められた2000億ドルもの資金が費やされている中、このように戦争から利益を得る行為は"戦争という商売"を加熱させる原因です。私たちは今一度良識ある観点からこうした動きを止めないといけないのではないでしょうか」と問いかけた。 |
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