SEA NAVI 7月20日号
ぶらり香港ひとめぐり(1)

 5月26日早朝、パーズ号は今クルーズ最初の寄港地・香港に到着。
 香港島に着いて間もなく、「和平記念碑広場」で行われたピースボートの記者会見から。
 威勢の良い和太鼓のパフォーマンスに、集まった数十社の地元メディアからは『ピースボートの活動・取り組み』、また昨今特に関心の高い『日中の歴史認識・教科書問題』に関する質問が相次いだ。
 これに対し、ピースボートの共同代表・吉岡達也は、「日中の友好関係は、歴史事実を共有し対話をすることでこそ作られる」とコメント。現在日本で憲法9条の改正が論議されている状況についても述べ、「憲法9条は東アジアの平和のためにも必要であり、これを守ろうとする取り組みを支持して欲しい」と香港市民への協力を求めた。また、記者会見の最後には、香港カウンターパートナーと共同で、日本政府に対して歴史問題への取り組みを求める声明を提出した。
 現在はグルメ、ファッションの街として有名な香港。しかし、アジア太平洋戦争時代には日本軍に占領された歴史を持つ街でもあり、当時の面影を残す「戦争史跡」も幾つかある。
 香港政治の中枢を担う・立法局もそのひとつ。弾丸の痕が残るこの建物、実は、日本軍占領の本部だったという。通常観光客は中に入れないのだが、香港議会議員・ホアンさんの協力により、特別に議会室や議員休憩室などを見学させてもらうことができた。
 また、ホアンさんとのやり取りの中で、過去に3回、全会一致で日本政府に対して歴史認識を正して欲しいと要求する法案が決議されているというコト、また一方で中国の反日デモについては、香港立法局では日本に対して友好的に考えているコト等、今もなお色褪せることのない日中間の見えない戦争史跡にも触れられる見学会となった。

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