▼「テロ現場」追悼式▼ |
11月28日、朝8時30分。ケニアのリゾート・モンバサにある「パラダイス・ホテル」に、1台の四輪駆動車が突っ込み、爆発した。イスラエル人が資本金を出しているこのホテルには、爆発当時も多くのイスラエル人が滞在しており、イスラエル人宿泊客、ケニア人従業員合わせて12名、そしてこの「自爆テロ」を実行した3名が亡くなった。
何度にもわたってモンバサを訪れてきたピースボートでは、この現場で追悼式をすることを提案。また、船内では、この日に向けて千羽鶴を折ったり、声明文に署名を集めたりということも。そして寄港2日目の1月2日、ピースボートスタッフ中原大弐、ハナ・ヨンゲピアーほか、参加者有志が現場へと向かった。 |
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爆風で屋根が吹き飛び、壊れてしまった門。当日、爆発した四輪駆動車は、この外にあるホテルの門を突き破り、前庭まで走っていって停止し、爆発した。このホテルは、かやぶきの屋根などを使って「自然との一体感」をテーマに造られたものだそうだが、そんなのんびりした雰囲気は、もうどこにもない。ホテルの敷地外にあった建物さえ、爆風による被害を受けているのだ。 |
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現場にはまだ、焦げ臭いにおいがただよっていた。前庭から離れたところにあるプールバーも、爆発によっておこった火が燃え広がり、ほとんどが焼けおちてしまった。このホテルで働いていたある男性にも話を聞くことができたのだが、彼は「なぜここで、こんな事件が起こったんだろう。ここは平和な観光地だと思っていたのに…」と涙ぐんでいた。
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四輪駆動車が爆発した地点には、爆発により大きな穴ができている。追悼式ではそこを囲んで手をつなぎ、全員で黙祷。このあと、平和のメッセージが書かれた幕と千羽鶴を、穴にかぶせるようにしてささげた。このメッセージも折り鶴も、船内で参加者に呼びかけて集めたものだ。
その後、現地の方から出された「この折り鶴と千羽鶴を提供してほしい」という提案に、その場にいた全員が拍手。1998年に「爆発テロ」事件で破壊された、首都ナイロビのアメリカ大使館跡に保管されることになった。
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