第37回地球一周クルーズレポート/12週目(7/18〜7/24)
 7月18日、エルサルバドルに入港。空路で国境を越え、隣国グアテマラへ向かった。奥深い密林の中に眠る、マヤ文明最大の遺跡ティカルを訪れるツアー。
  ティカルは、3〜9世紀にかけてマヤ文明の中心地として繁栄した場所。熱帯のジャングルの中に、巨大で急勾配のピラミッドや宮殿、神殿、石碑など、3000以上にのぼる遺跡が残されている。
  このツアーでは、遺跡の中心となる広場「グランプラザ」、「失われた世界」と呼ばれるピラミッド、スケールでは最大規模を誇る4号神殿などを見学。密林の中にそびえたつ神秘的な姿に見入った。
 別のグループは、「持続可能な開発」を目指す現地NGOの「セスタ」を訪問。セスタが環境にやさしい移動手段として推進しているという自転車を利用して、アカフトラ市内からセスタの事務所へ向かった。そして、日本のODAも使われているというダム建設の予定地へ。
  「生活の場が奪われてしまう」という、そこに暮らしている人たちの声を聞いた。セスタが海辺で進めているウミガメ保護プロジェクトでは、実際にウミガメを見ることもできて、「亀だ!」と歓声を上げる人も。
  単独でのプロジェクトだけではなく、自治体との協力など、柔軟な姿勢で活動を進めるセスタ。その活動に「日本のNGOのあり方についても考えさせられた」という声も。
 ピースボートがメキシコに寄港する際の「恒例」ともなっているのが、「メキシコプロレス」ルチャリブレの興業。日本人ルチャドール・ウルティモドラゴンさんが設立したプロレス学校「闘龍門」の協力で実現しているものだ。
  今回ももちろんアカプルコ寄港の夜に試合が行われるが、今クルーズでは、それに先駆けてに 若手ルチャドール2人が乗船、洋上で「ルチャ教室」を開いてくれた。
  「関節技編」ということで、様々な関節技をやってみせてもらう。それを参考に、集まった30人ほどは、それぞれ2人組になってチャレンジ。見た目以上に痛いようで、みんなすぐに「痛ててて…!!ギブギブギブッ!!」と苦痛に顔を歪める。それでも、「技が決まると面白い!」と、みんなめげずに変わりばんこに技を掛け合っていた。
 船がアカプルコに入港した7月21日、港の近くで「ゲレロ州先住民族証言集会」が開かれた。
  アカプルコが属するゲレロ州は、メキシコの中でも先住民族インディヘナの人々が多く暮らす地域。先住民族への弾圧は今も厳しいというが、その現実はメキシコ国内でもあまり伝えられることがない。
  この集いでは、政府軍による虐殺の生存者や、政治囚として捕らえられた家族を持つ人々による証言を聞いた。「私たちが求めていることは、本当にあたりまえのことです。たとえば、子どもたちが基本的な医療を受けられること。そして、虐殺にかかわった軍人たちが正当な裁きを受けることです」。ピースボートから、アカプルコ入港前に船内で集められた300名分の署名と寄せ書きが送られた。
  長時間にわたる集会ながら、100人以上が真剣なおももちで証言に耳を傾けた。「今後、私達に出来ることは、あまり知られていないこの問題を多くの人に伝えていくことではないか」という声も。
 アカプルコ入港日の夜は、市内の「アレナ・コロッセオ」でルチャリブレ観戦。
  ルチャリブレとはメキシコ庶民の娯楽ともなっている「プロレス」のこと。メキシコでは子供から大人まで幅広い人気があり、ルチャドールと呼ばれるプロレスラーたちが見事なワザの数々を見せてくれる。
  今回は、日本人ルチャドールのウルティモ・ドラゴンさんが設立したプロレス学校「闘龍門」の協力で、本場のルチャリブレ興業が実現。プロレス好きも、見るのははじめてという人も、いっしょになって声援を送った。
  エルサルバドルからメキシコまで乗船されていたルチャドール、YOSSINOさんとbrother YASSINIさんももちろん登場。見事勝利をおさめると、ピースボート参加者からはひときわ大きな歓声が。
--タイムテーブル--
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--海と空--
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