サラワク先住民族の村でホームステイ(2)
油ヤシプランテーションの現場を訪れた。
労働者の大半はインドネシア人。1日12時間にも及ぶ長時間労働と安い賃金に加え、大量の農薬散布が、彼らの健康さえも脅かしている。
ここで生産されたパーム油は、私たちの身の回りにある化粧品やお菓子、そして「地球にやさしい」洗剤やシャンプーの原料として輸出されており、日本は現在、パーム油の最大消費国のひとつだという。
プランテーションの丘からの眺め。見渡す限り油ヤシの畑が広がり、かつてのようなジャングルの光景はすでに存在しない。1度破壊された熱帯雨林の再生は非常に難しいという。
プランテーションで働く、先住民族イバンの人々が暮らす家を訪問した。
先祖から代々伝えられてきた森を追われた彼らが現在暮らすのは、狭いコンクリートの住居。インドネシア人労働者が大勢やってきていることもあり、プランテーションでの賃金は非常に低い。しかもここ半年は、そのわずかな賃金での仕事さえ与えられていないという。
彼らが説明するプランテーションでの労働条件は、パーム油工場のマネージャーが説明していたそれとは大きな開きがあった。
翌日は、世界最大級の洞窟が存在するニア国立公園を散策。熱帯の森がゆたかに生い茂る、本来のジャングルの姿を見ることができた。
(桜井)
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