8月10・11日  ▼先住民族の生活を体験
ヨーロッパ人が来る前からカナダに暮らしていた先住民族、「ファースト・ネイション」と呼ばれる人たちの居住区を訪問し、古くから伝わる「伝統」や「知恵」を学ぼうというこのコース。自然の宝庫としかいいようのない居住区。けれどいっぽうで、ここに、開発の波は押し寄せているという。
アルビンさんの家では、伝統的な家庭料理でもてなしていただいた。自家製野菜のサラダや近くの川で捕れた鮭など、素朴で温かみのある料理に、おかわりを所望する人が続出。
満天の星空の下、伝統的な歌とダンスが披露された。こちらからも南京玉すだれ、盆踊り、日本の歌などを紹介。キャンプファイヤーを囲んでの交流は夜遅くまで続く。ロッジやテントなど、思い思いの場所で就寝。
目が覚めたら、大自然の中でラジオ体操。新鮮な空気を胸一杯吸い込んで、気持ちいい朝のひとときを過ごした。
古くからの神聖な祈りの場、「メルビンクリーク」を訪問。メルビンとは現地の言葉で「冬の精霊」という意味。ここでは24時間「聖なる火」が燃やされている。小屋の後ろにそびえたつ山は現在スキー場建設が予定されており、先住民族と彼らを支持する環境保護団体が反対運動をおこなっているという。
鮭が捕れる「フィッシュキャンプ」と呼ばれる場所。数千年前から先住民族はここを利用してきたにもかかわらず、1970年に州政府が彼らを無視して勝手に網を掛ける時間を制限した。反対運動の末、現在ではその規制は撤廃されている。
薬草を摘みに出かける。虫刺され・火傷・リューマチ・頭痛などさまざまな症状に効く草や花が代々伝えられている。食欲を押さえ、ダイエットに効果がある草もあるそうだ。
(北村美希子)
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