国名
 カナダ Canada

ことば
 公用語は英語とフランス語。西部では英語、ケベック州を中心とする東部ではフランス語を話す人が多い。
・歴史
 紀元前から、西岸部から中央平原部にファースト・ネイション(いわゆる「インディアン」)が、北部海岸部にイヌイットが、それぞれ独自の文化を発展させた。16世紀ごろからイギリスとフランスによる植民化がはじまり、東から進出したフランスと、西から進出したイギリスの間で激しい領土争いが起こる。1756年には「英仏七年戦争」が勃発、全土がイギリスの支配下に入った。1867年に、隣国アメリカの脅威に対抗するために、カナダ連邦政府が成立。1885年にはイギリスからの完全独立を果たした。
近年、アジアからの移民が急増しているほか、旧ユーゴの難民を積極的に受け入れるなどの政策でも知られる「多民族国家」だが、ファースト・ネイションの人々への差別や、フランス文化を守るケベック州の独立問題など、課題も多く残されている。

先住民族の生活を体験
ヨーロッパ人が来る前からカナダに暮らしていた先住民族、「ファースト・ネイション」と呼ばれる人たちの居住区を訪問し、古くから伝わる「伝統」や「知恵」を学ぼうというこのコース。自然の宝庫としかいいようのない居住区。けれどいっぽうで、ここに、開発の波は押し寄せているという。

ピースセレモニー
ノース・バンクーバー市内の「紅葉ガーデンズ」にて、現地の反核NGO「End The Arms Race」主催のピースセレモニーが行われた。これは、広島と長崎の悲劇を忘れないために、また、核の脅威と悲惨さを再確認するために、毎年8月におこなっている。ノース・バンクーバー市長の挨拶に始まり、地元で反核活動をしているNGOメンバー、水先案内人で被爆体験の語り部であるサーロー・セツ子さんらのお話を聞いた。
ピースボートからは、船内で折った千羽鶴を贈呈。参加者ひとりひとりが平和への思いを書いた灯籠を流す。幻想的な風景を見ながら、核によってその命を落とした人々の冥福を祈るとともに、これからの平和のあり方について考えた。
ジュリアン・スキートさん(現地NGOメンバー)の話:「冷戦終了後、核兵器の脅威は忘れ去られつつあります。しかし、世界中には3万に上る核弾頭があり、それは“ヒロシマ”の50万倍に相当すると言われています。報復のためではなく自国を守るためという名目で作られていますが、それは他国を『仮想敵国』として見ていることの表れではないでしょうか。
また、核装備のために膨大な軍事費が注がれている影で、貧困・飢えで亡くなる人々が多くいることも忘れてはなりません。地球上から核をなくすため、世界的な協力が必要だと思います。」
(斉藤隆行・小原恵梨子)

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