7月9・10日
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大道芸人が集まる街マラケシュ
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モロッコのほぼ中央に位置する城壁都市マラケシュ。モロッコではフェズに次いで2番目に古い街だ。
このコースでは、マラケシュの街並みをめぐり、大道芸人や屋台で賑わうジャマ・エル・フナ広場に歓声をあげ、深夜の騎馬ショーを見学。モロッコで一番にぎやかでエキサイティングな夜を過ごした。翌日は先住民族ベルベル人の村におじゃまして、モロッコの人の温かさにも触れる事ができた。
ベン・ユーセフ・マドラサ。マドラサとは学校を意味する言葉で、1956年までは実際に学校として使用されていた。14世紀ごろに建てられたこの建物は、今もイスラム建築の最高傑作といわれている。建物の柱と壁は繊細な幾何学模様とモザイクタイルで装飾され、床には真っ白の大理石が敷かれていた。
日も暮れ、マラケシュの夜は始まる。人々が街の中心にあるジャマ・エル・フナ広場に集まってくる。屋台が店開きをし、大道芸人が各地から集まってくるここでは、毎晩がお祭り騒ぎだ。「ジャマ・エル・フナ(死者たちの広場)」という名前のとおり、かつては公開処刑所だったというこの広場だが、今は「ジャマ・エル・ファナーヌ(芸術家たちの広場)」と呼ばれることもある。
屋台からのおいしそうな匂いがあたりを包むなか、大道芸人の人間離れした技の数々を目にする。驚きの声が途切れることはなかった。
夜は華麗な騎馬ショー「ファンタジア」を鑑賞した。その昔、ベルベル人との戦いに勝利したアラブ人が、その強さを示すための象徴として行うようになったものだという。大道芸人による賑やかな歌や踊り、疾走する馬上で繰り広げられるアクロバティックな技、そしてクライマックスには隊列を組んだ騎馬に乗った戦士が、走りながら一斉に空に向けて銃を放つ。吹き上がる炎と煙に客席からは大きな歓声が上がった。
翌日は、昼間のジャマ・エル・フナ広場へ。辺りにはスークと呼ばれる市場。迷路のようにいりくんでいるここでは、果物から香辛料、衣類、靴、じゅうたん、日用雑貨に至るまで、あらゆる物をここで手に入れることができるため、地元の人も多く訪れる。
ベルベル人のお宅を訪問。リビングでミントティーをごちそうになる。ミントティーは沸騰させたお湯に生のミントをたっぷりと入れて、でっかいお砂糖の固まりをいれる。それを蒸らしたら、グラスに注ぐ。高い位置から注ぐのは、客人に対しての歓迎の意味が込められている。ちょっぴり甘くて、村の人の温かさが伝わってくるような味だった。
(高橋文・光崎佳世)
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