6月29日 ▼行ってきて見たパレスチナ〜何でもQ&A〜
/山田しらべ(NGO活動家)、高橋和夫(放送大学助教授)、ディディレイズ
ラミ(ピースボート国際奨学生)、吉岡達也(ピースボートスタッフ)▼
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寄港前から、水先案内人や、その地を故郷とする国際奨学生たちによって、さまざまな講座が行われてきたイスラエル・パレスチナ。実際にその地を訪れ、現地の人たちの話を聞いたあとも、わからないことや疑問に思ったことはたくさんあった。この講座では、水先案内人の高橋和夫さん、山田しらべさん、そしてイスラエルからのゲストのディディレイズさんとパレスチナ出身の国際奨学生ラミさん、ピースボートスタッフの吉岡達也に、私たちが感じた「疑問」に、それぞれの立場から答えてもらった。 |
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Q.「私の参加したオプショナルコースのガイドさんは、イスラエル・パレスチナ問題について”宗教的なことが問題である”と言っていました。これはどういうことなんでしょうか。大学などでそういうふうに教えられているのでしょうか?彼の個人的思想なのか、それともイスラエル・パレスチナの『政策』としてそういうふうに教えられているのでしょうか」 |
ラミ(パレスチナ):「以前にもその話は出てきましたたが、私はイスラエル・パレスチナ問題は宗教的な事が原因ではないと思います。問題となっているのは領土や難民のこと、そして国家のあり方であり、宗教とは無関係なのではないでしょうか」
ディディレイズ(イスラエル):「私も、イスラエル・パレスチナ問題は宗教的な問題ではないと考えています。しかし、イスラエル・パレスチナの一種の過激派には、それを宗教問題とすり替えて考える人たちもいて、これは大変危険です。『国と国との問題』ならいつか解決するけれど、宗教的な問題の解決は困難だからです」
吉岡達也:「イスラエル、パレスチナが激しく対立する現状の中で、彼らが同じ空間で一緒に話し合える状況を作れたことを誇りに思います。ここからは、きっと何かが生まれてくるのではないでしょうか。
私たちは、船に乗ってきてくれたラミさんたちのことを、イスラエル・パレスチナの代表として見てしまいがちですが、それは違います。イスラエル人もパレスチナ人も、それぞれ個人の意見をもっています。彼らの声をひとつの意見として聞くのはいいけれど、それが国家、民族を背負わない個人の考えであるということについては理解して欲しいと思います。」
(稲冨ひろみ・宮武礼乃)
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