6月5日  ▼モルディブ Bird's view/フスナ・ラージ(モルディブ大学教授)
フスナ・ラージさんは、モルディブ大学健康科学学部教授である一方、麻薬問題・エイズ予防・ジェンダー問題などについて活動するNGO団体、「Fashan(ファシャン)」の設立者でもある。今回は“楽園”と呼ばれるモルディブを、「モルディブに住む」視点から話してもらった。
「モルディブが楽園のような所だと思われる方が非常に多いですけれども、そうでないところもあります。島での生活は時にはとても厳しく、時には退屈なものです。マーレ以外の島では、子どもたちの遊び道具があまりありません。ビーチで遊ぶことがほとんどです。また、マーレ以外の島では、仕事を得ることが難しく、男性は、ほかの島に移っていきます。そのため、その島には老人と女性、子どもが残されることになります。」
(森一成)
僕らがそこへ行ったわけ〜インド・パキスタン核実験とピースボート
/高橋真樹・志村洋一(ピースボートスタッフ)
インド・パキスタンが相次いで核実験を強行した1998年6月。ピースボートの若者たちは、現地で核の被害を訴える写真展をおこなった。その一員としてインド・パキスタンを訪れたピースボートスタッフの高橋真樹と志村洋一、そして広島出身の塩出香織さんが、それぞれの立場から、核問題について、平和について、そして「世界」と自分とのかかわりについて語った。
志村は現在ピースボート東京事務局で、援助物資を集めて寄港地へ届ける「UPA援助チーム」を担当している。
「インド・パキスタンに行ったころは、特に援助に興味を持っていたわけではありませんでした。けれどその後、訪れた国の子供達とのふれあいを通して、ボランティアをとても身近に感じる瞬間があって、考え方が変わったんです。最近、僕が思うことは、日本の外国への加害の歴史を知っていれば、世界の戦争や紛争などを見る目も違ってくるのではないかということです。それを知った上でこそ、今の僕らにできることが見えてくるんだと思います」
続いて、広島の平和記念公園でボランティアのガイドをしているという塩出さん。
「これまで自分のことを、『平和活動』をしているという硬いイメージで捉えられるのがとてもいやでした。しかし、被爆体験さえもじゅうぶんに語り継がれているとはいえない、広島の平和教育の現状を知ったとき、そんな事にこだわってはいられない、これまでの自分は甘かったのではないかと思うようになりました。だから世界を見て、『ヒロシマ』を考え直そうと思ったんです」
インド・パキスタンのあと、「核大国」アメリカでの核被害写真展示会を実現させた高橋も、自らの体験を語った。
「僕も初めから核のことに関心があったわけではありませんでした。意識が変わったのは、実際にチェルノブイリの原発事故で被曝した子供達に会ってからです。自分では何もできない、と最初からあきらめていては何も変わらない。世界を変えることはできなくても、努力次第で自分の目の前にいる一人を変えることはできるんです。」
(高橋留美)
地球大学UNIT1-4〜他人事でいいの?自分にとっての社会問題〜
/野平晋作(ピースボートスタッフ)
イジー(ISコーディネーター)、オイスタイン(ISコーディネーター)
ケレン・アサッフ(ピースボート国際奨学生)
地球大学UNIT1・第4回のテーマは、「自分にとっての社会問題」。それぞれが、世界で起きている問題にどのように関わっていくことができるのか、集まった講師のケースを例として取り上げながら考えた。
「まず必要なのは、『自国の市民としての責任で、他国の問題に関わろうとする姿勢』ではないでしょうか。例えば、イギリスの市民であるイジーさんは、そのイギリスが当事者となっている北アイルランド紛争の解決に向けて努力しています。また、『国際社会の一員としての責任で、他国の問題に関わろうとする。』ということも挙げられます。アフリカの債務超過問題など、直接には自分の国とは関わらない問題でも、放っておかないということです。
それから、『過去の過ちから得た教訓を普遍的にするために社会問題に関わる』という事も必要です。広島・長崎の原爆投下やホロコーストなどの不幸な出来事から、人類にとっての教訓を得て、もう2度と、戦争という悲劇を起こさないために、例えば核廃絶運動に関わるということです。多くの社会問題に対し、他人事ではなく、自分にはどういう形で関わることができるのか。そして何ができるかということを考えてください。」
(斉藤隆行)
−船内ニュース−
UFOを呼ぶ会
特打ち大会
−船内タイムテーブル−
6月5日
−おまけ−
今日の海と空(6/5)
翌日のインデックスへ昨日のインデックスへ33回クルーズレポートインデックスへ