7月19日
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メディアの陰謀〜ルワンダ虐殺を煽ったのは誰か〜
高橋真樹(ピースボートスタッフ)
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1994年、アフリカのルワンダで起こった、多数派フツ族による少数派ツチ族の虐殺事件。犠牲者は4ヶ月で約80万人。フツ族の大統領が乗った飛行機が何者かに撃墜されるという事件をきっかけに、それまで隣人として暮らしていたはずのふたつの民族は、殺し合いを始めたのだ。この凄惨な大量殺戮において大きな役割を果たしたのが、メディアだという。VTRを見ながら、ピースボートスタッフの高橋真樹が語った。
「ルワンダでは新聞やテレビはあまり発達しておらず、殆どの人はラジオによって情報を得ていました。そのラジオが、大統領暗殺の事件を契機に、民族主義を煽り立てる報道をし始めたのです。唯一の情報源から発せられた報道は、今まで区別無く暮らしていた2つの民族、フツ族とツチ族を敵対させていきました。ラジオは『君たちの力を見せるときが来た。今こそ鉈や鎌を持ち、家から出て立ち上がろう。』と叫び、それに扇動された人々が、隣人をさえも殺し始めたのです。
自分たちが得られる情報の殆ど全ては何らかの方向に偏っているものです。それを受け取る側がどう感じるか。全てを鵜呑みにしないということは、重要ですが難しいことです。
そして、国際社会はこの間違った行為を止める力があったにも関わらず、何もしませんでした。20世紀最後のこの悲劇を21世紀の教訓にしていくために、国際社会が公正なメディアを持つことが必要ではないでしょうか」。
(斉藤隆行・森一成)
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私たちが見たイスラエル・パレスチナ
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「約束の地」を主張してイスラエルを建国したユダヤ人と、それによって古くから暮らしていた地を追われたパレスチナ人が対立するイスラエル・パレスチナ。2日間の寄港中にも、わたしたちはいまだ続くその争いの様子を垣間見ることになった。クルーズが終了した後もこの問題を考えつづけ、世界の人々にパレスチナの人々の現状を伝えていきたい、と考えた人たちが集まり、「パレスチナチーム」を結成。「自分たちにできることは、見てきた現実をありのままに伝えること」――まずは船内の人たちへ伝えていくことからと企画された今回の講座では、それぞれが参加したオプショナルツアーごとに、発表を行った。
Bコース『エルサレムの光と陰』:
「『エルサレムに行くためならどんなことでもしよう。どんなに血を流してもエルサレムに行こう』。私達が訪問したパレスチナ人の村、エレクベイベエで子供たちが叫んでいた言葉です。子供たちは『サマーキャンプ』の途中で、ボランティアの大人が言う言葉をあとについて復唱していました。パレスチナの現状が大変な事はわかりますが、子供たちに暴力的思想を教育するのはどうかという疑問を感じずにはいられませんでした。」
Cコース『東西エルサレムをゆく』:
「パレスチナ人はすべての面において劣悪な環境にあり、イスラエル側には軍事力を背景とした余裕があります。現地NGO 『ピースナウ』(イスラエル国内でも少数派の和平派団体)のメンバーは『私たちは、この問題を宗教問題ではなく土地や権利の問題としてとらえている。今はお互いに恨みや憎しみが多いので和平は難しい。』と語っていました。和平を主張する人々さえこのように考えている現状に、本当に平和は遠いのかもしれないと感じました。まずは互いに知る事から始めていくことが重要だと思います。」
パレスチナ難民キャンプ訪問団:
「『No Name』――難民キャンプ内にある通りの名前を聞いたとき、ガイドの人はこのように答えました。一見普通の街に見えるこのキャンプには、住所がありません。インフラ設備などもほとんど整っていません。名前のない『街』にこの人たちは53年も住んでいるのです。ここで生まれた子どもたちは、自分の故郷も知りません。そのような現状に、そこが本当に難民のキャンプであることを実感し、しばらく立ちすくんでしまいました。」
(塩出香織)
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