8月7日
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他者の痛み−私の痛み(3) 記憶の‘分有’に向けて〜新たな私たち〜
岡真理(大阪女子大学教員)
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水先案内人岡真理さんのシリーズ企画の最終回。シリーズのまとめとなる今回は、題材としてはビョン・ヨンジュ監督の、元「従軍」慰安婦を描いた映画「ナヌムの家」を見た。
「想像を絶する『他者』の痛みを描いている映画、という点においては[戦士の刻印]と共通していますが両監督のスタンス、アプローチの仕方は全く異なっています。ビョン監督は同じ韓国人女性として元慰安婦の女性側に立ち、日本政府の責任を問うのではありません。逆に彼女たちの存在を打ち捨ててきた自分の責任を負おうとしています。そのために彼女たちと生活を共にし、自らに向けられる沈黙の告発をそれとして受けとめスクリーンに刻みつけました。
この作品では、他者の痛みを償うことがもし可能ならば、それはいかにして可能なのか、という困難な問いに対する一つの答えを作品に刻印しています。他者の痛みを理解したり、あるいは他者を批判したりしようとするならば、自らの歴史的加害性を認識し、自己と他者がどういった関係性の中で位置しているかを把握することが前提として必要になるのです」
(小原恵梨子)
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8月7日
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