▼他者の痛み−私の痛み(2)〜アフリカの女性性器手術は文化か、暴力か?〜 /岡真理(大阪女子大学教員)▼ |
ポジショナリティ(他者との関係性の中で考える自分の位置)をテーマに3回シリーズで行われる、水先案内人岡真理さんの企画の第2段。作家アリス・ウォーカーが製作・総指揮をとった、アフリカの女性性器切除(割礼)を批判するドキュメンタリー映画『戦士の刻印』を題材に、他文化を批判する際のスタンスについて話していただいた。 |
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「ウォーカーは性器を切除されたアフリカの女性たちの痛みと、幼いころドメスティック・バイオレンスによって失明した自身の痛みを重ね、『同じ家父長制の傷』を負う者として、アフリカの女性たちに共感を寄せています。しかし北側の先進工業世界に住むウォーカーと、『生きる』ということにおいて厳しい闘いを強いられているアフリカの女性たちを『同じ女』としてくくっていいものでしょうか。
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割礼について批判すること自体はまちがっていません。健康的に考えてもよくありません。しかしそれを文化・伝統として受けとめ民族の誇りとしているとすれば、ある種の批判が、彼女たちの人間としての尊厳を傷つけているということと、彼女たちがそれによって被る痛みについても理解する必要があります。
植民地主義の概念や現在の経済構造がからみあっているこの状況で、当事者ではない者が、自分の位置を認識していないまま他文化を批判することは問題と言えます。」
(小原恵梨子)
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▼未来への証言(2)ヒロシマからきた女の子 〜北米で被爆者として生きるということ〜/サーロー・セツ子(平和活動家)▼
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水先案内人サーロー・セツ子さんによる2回目の講座。13歳のときヒロシマで被爆したサーローさんは、戦後アメリカやカナダで平和活動に関わってきた。今回は「北米で被爆者として生きるということ」と題し、ご自身の体験を語っていただいた。 |
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「ビキニ環礁で核実験があった1954年、私は社会福祉を学ぶために奨学生としてアメリカの大学に留学しました。渡米してすぐ『ヒロシマの被爆者』ということでインタビューを受け、率直に核実験反対を口にしました。それから嫌がらせの手紙が山ほど舞い込んだんです。反核=反米だった時代でした。その後世界原水爆禁止大会で、寝食を忘れて平和活動をおこなっている人たちに出会い、私もこの活動を生活の中心にしようと決意したんです。
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私が今一番関心を寄せていることは、アメリカが推進しているミサイル防衛に反対するロビー活動です。自国の政府がおこなっていることをチェックし、受け入れられないことは“受け入れられない”と主張していかなくてはなりません。日本でもまず政府を動かす力を作っていって欲しいと思います。」
(北村美希子)
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▼まだまだ青春!18きっぷ▼ |
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青春18切符」とは、JRが発売している切符で、普通電車に一日乗り降り自由!というもの。1枚で5回分になっていて、1人で5日間使うほか、たとえば5人で同時に使う、ということもできる。
企画者の市橋玲子さんと福士恵理さんは「こんなお得な物があるってことを、多くの人に知って欲しくて」と、この企画を立てたのだとか。集まった人たちの中には、初めてこの切符の存在を知ったという人もいて、興味深く話に聞き入っていた。
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「名前は『青春18』となっていますが、使用年齢に制限はありません。私はこの切符を使って九州一周を2万円台に押さえた事もあります。みなさんも日本に帰ったらこれを使って、お得で楽しい旅をしてみてください。」
(岡田悠)
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