2月21日  ▼キッチンツアー
「毎日3度の食事が僕の自主企画です」と語るのは、本船総料理長の市村シェフ。そして自らを称して「料理界のマギー史郎」とも。今日は、そんなシェフ自らの案内で、日頃はお目にかかることのない船内のキッチンを見学してきました。
「船上のキッチンでは、国際的な安全基準によって、いっさい火が使えないことは、皆さんはご存じじゃないでしょう。『飛鳥』でも『クイーン・エリザベスII』でも同じで、本船も全て電気の調理器しか使えないんです。ところが、焼き魚はやっぱり焦げ目がないと美味しそうには見えないですよね。ですから、電気オーブンで焼いたあとに、調理用のバーナーでさらに焦げ目を入れるというひと工夫が必要になるんです。
先日の焼き豆腐もバーナーで焦げ目をつけていました。また食材については、自分の舌で確かめ吟味した物を使いってます。しかも、洋上では不足した材料を買いに走るなんて事ができませんから、港で仕入れる量や鮮度管理にもたいへん気をつかいます。船上で美味しい食事をみなさんに楽しんでいただくためには、陸上のレストランとは違った苦労があることを知ってもらえるとうれしいですね。」
毎日のメニューづくりの他にも、バレンタインや節分など行事ごとの趣向を凝らしたメニューを出航前から準備しているとのこと。そんな彼が今回予定するのは、なんと!!「プンタアレナス(チリ)での毛ガニ食べ放題」。今から楽しみ!
キッチンの方々の陰の努力を垣間見ることができた、貴重な時間でした。ちなみに、食事を楽しみにしすぎて少々ふくよかになった姿を気にする方がいらっしゃることはご存じでしたか、シェフ殿。それにしても、流暢な語り口と手品のごとく料理で乗船者を「アッ」と驚かす様子は、たしかに「料理界のマギー史郎」の名に恥じないものでした。
(真家)
シャトルバスで行こう 幼稚園
モンバサ市内の『オールドタウン』。小さな住宅や商店が混在して建ち並ぶ地域で、観光客の一人歩きは危険と言われる。そんな一角の路地を右に左に折れていくと目的の幼稚園に到着。イディア先生と園児たちが出迎えてくれた。
この「ツアー」、じつは町中を散策していていた参加者が見つけだした幼稚園にみんなで訪問しようという「自主オプショナルツアー」。これまでに、「木陰で絵を描こう」とか「みんなでブランコ作り」なんてほのぼのツアーが好評を博してきたスタッフ篠原の呼びかけにこたえた15人が参加した。
お揃いの制服に白い靴下、黒い靴を履いたかわいらしい姿に「きっとお金持ちの家の子に違いない」と思ったのだが、早計だった。きのうアポイントを取ったばかりという突然の来訪にも快く歓迎してくれたイディア先生が話してくれたところでは、ケニアには公立の保育施設がなく、あるのはお金持ち専用の私立の幼稚園ばかり。国外でも教師として働いた経験を持ち、幼児教育のたいせつさを痛感していたイディアさんは、ケニアにもふつうの家庭の子どもが通える施設を作りたいと考え、私設の幼稚園を始めたのだという。
スペースは、20畳ほどで、けっして恵まれているという感じではない。しかも、たくさんの外国人を初めて間近にする子供たちは、やや「怯え」気味。恐縮するピースボート参加者。先生が先に立って歌い出すと、子どもたちも歌い踊り始めたものの、目が合うと逃げるようなそぶりをする。それがまた、カワイイ。そして、みんなで大きな紙に絵を描き始めたころには、ぐっとうち解けて、「みてみて!」と自分の描いた絵を自慢して見せる子どもがいたり、小さな足でサッカーボールを追いかけだしたり。
「子どもたちが大好き」と笑顔で語ってくれたイディア先生。ここでは、イスラムの教えを話したり、スワヒリ語と英語の両方に親しませたりして、卒園後の義務教育にも備えているという。通ってくる子どもたちの両親は仕事もなく経済的に厳しい家が多く、午前中だけの育児とはいえ、全てイディア先生の私費で運営されている。ケニアの家庭では教育に使えるお金があまりないので、この子供たちも何年生まで教育を受けられるのか心配している、とも語ってくれたのが印象的だった。
船に帰る時間になっても、いつまでも名残惜しげに手を振る参加者の姿が見られたように、今回も大成功のほのぼの交流でした。
▼船内タイムテーブル▼
2月21日
▼おまけ▼
今日の海と空(2/21)
翌日のインデックスへ昨日のインデックスへクルーズレポートトップページへ