イースター島[チリ]
こんな国
・国名
 チリ共和国 Republic of Chile
・ことば
 ラパヌイ語、スペイン語
・歴史
 4〜5世紀、ポリネシアの島々からやってきた人々が定住。12世紀を最盛期として、モアイ作りがおこなわれた。が、19世紀ごろのヨーロッパ人の報告によれば、「島のモアイの大半はそのとき地に倒れていた」とあり、詳細は不明ながら、島で何らかの争いが起こり、その結果としてモアイが倒されたのではないかといわれる。
 ヨーロッパ社会との接触は18世紀から。19世紀には、アメリカ、ペルーなどの船団が島民をさらい、そこから蔓延した伝染病のため島の人口が激減するなどの事件が起こっている。1888年、チリによって併合され、現在までチリ領。

たっぷりイースター島
周囲60km、小豆島とほぼ同じ大きさのイースター島は、もちろんモアイで知られる島。1722年、オランダ人が初めてこの島に訪れた日「復活祭(イースター)」にちなんで付けられたのは有名な話。しかし、そこに暮らす人々は自分たちの島を「ラパヌイ(大きな島)」と呼ぶ。ちょっととぼけて、そしてかわいらしいモアイでお腹いっぱいになったコースでした。

イースター島を守る人々
イースター島を訪れてみると、美しい海と空とは対照的な荒れた大地とわずかな木々が印象的。いにしえの人々がモアイを運ぶために島の木を切り倒してしまったため、そして外部から持ち込まれた動植物が森を荒らしたことが原因だとか。かつては緑豊かな島だったというこの島に、「再び森を!」と自然保護活動を行う公共機関「CONAF」のメンバー、そして現地の高校生と交流をした。99年にピースボートが植樹した『トロミロの木』との感動の再会もあり、「絶海の孤島」の直面する環境問題についても考えさせられた。

絶海の孤島で海水浴
周囲数千キロにわたって島影の見当たらないまさしく絶海の孤島、イースター島。モアイと対面して、さらに島唯一の海岸で、「のんびり海水浴をしちゃおう!!」というのがこのコース。
太平洋の真っ只中にぽつんと浮かぶ島だけあって、島に打ち寄せる波は日本海の荒波のように荒く、激しい。ところが、私たちが海水浴をした「アナケナビーチ」は小さな入り江になっていて、ウソのように波が穏やか。その秘密は沖合に珊瑚礁があるからとか。観光客に踏み荒らされてないそのビーチは、透明度の高い紺碧の水をたたえ、波が日光を反射してたゆたい、さながら宝石箱のよう。
この世の物とは思えないほどの美しいビーチで、泳いだり、ビーチバレーをしたり、シュノーケリングで魚を見たり…。イースター島の、翡翠のような色合いでグラデーションを作る海と、大気の流れに任せて遠くまで伸びていく雲。もちろんモアイも良かったけど、孤島ならではの大自然に囲まれ、夢の世界のような体験をした、そんな1日でもありました。
(竹端)

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