4月12日 ▼イースター島を守る人々
イースター島を訪れたひとは、辺りの美しい海と空とは対照的な、荒れてほとんど木々の生えていない大地の光景に驚かされる。いにしえの人々がモアイを運ぶために島の木を切り倒してしまったこと、そして外部から持ち込まれた動植物が森を荒らしたことが原因だとか。かつては緑豊かな島だったというこの島に、「再び森を!」と自然保護活動を行う公共機関「CONAF」のメンバー、そして現地の高校生と交流をした。99年にピースボートが植樹した『トロミロの木』との感動の再会もあり、「絶海の孤島」の直面する環境問題についても考えさせられた。
午前中はラノララク、トンガリキなどのモアイめぐり。写真はかつて島一番の大きな村があったというトンガリキ。アフと呼ばれる台座に乗せる途中で放置されたモアイの横に寝そべってみる参加者。
イースター島で既に絶滅してしまった、もしくはその危機に瀕している植物の苗を育て、植樹するという活動を続けている団体「CONAF」の事務所で、スタッフや地元の学生たちと交流。チリ人も日本人と同じようにシャイということで、まずはお互いうち解けるために輪になってコミュニケーション。みんなスペイン語で、なんとか名前や年齢を聞きだした頃には徐々にうち解けてきた様子。
自己紹介の後は、グループに別れてお待ちかねのランチタイム。この日は船内キッチンスタッフが徹夜で作った「ウナギ弁当」とあって、日本人は大喜び。でも、チリ人は慣れない食事と箸に四苦八苦。やっぱり勇気があるのは子供で、お箸の使い方を教わりながら、見慣れない食べ物に果敢にチャレンジ。
昼食後、グループごとに出し物をすることに。言葉が通じない分はジェスチャーでカバーして、各グループ一生懸命に練習。披露されたのは、盆踊り、フォークダンス、パラパラにイースターの伝統的な踊りなど。中には「さよ〜なら さよな〜ら 元気でいてね〜」と、どこかのお笑い番組で見かけたダンスを披露したグループも。
たくさんの苗を見学させてもらった後に紹介されたのは、風を防ぎ、湿気を保つための『マダワル』と呼ばれる囲いの中で育つ『トロミロの木』。この『トロミロの木』も既にイースター島では絶滅してしまった種であるが、99年、ピースボートが訪れた際にバルパライソから苗を運び、植樹したものが今こうして元気に育っている。トロミロが花を咲かせ、種を実らせたのは実に7年ぶりのことだという。
「マダワルの外に出しても植物が育つような環境をつくるため島民の教育を行うことも私たちの役割なのです。」とCONAFのスタッフ。
ピースボートから、南京玉簾や南中ソーラン、チーム☆ユネスコによるパフォーマンスを披露。写真は南中ソーランの様子。珍しい日本の芸能に学生らも興味津々な様子。最後には拍手喝采をあびた。
交流会の最後に、イースター島原産『マリクル』の木6本を植えた。重いスコップで穴を掘り、みんなで土をかける。十分に育つには10年くらいかかるとか。この木が大きく成長する頃には、きっとイースター島にも緑が蘇っているはずですよね。
(菅井)
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