もっと市民・NGOに開かれた国際会議を!
―NGO出席拒否事件の真相と国際会議の民主化を求めるNGO声明― |
2002年1月29日 |
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私たちは、今回のアフガニスタン復興支援NGO会議へ、二つのNGOが突如参加を拒否されたことに対して、強い怒りと失望を感じています。
また、彼らが参加を拒否された経緯について、外務大臣と外務事務次官の証言が国会の場で真っ向から対立し、その真相が国民に対して未だ明らかにされないという異常事態、そしてそれに続く真相究明なき両者更迭というあまりにも安易なケンカ両成敗的ごまかしに対して、強く民主主義の危機を感じます。
政府とNGOの協力関係は、アフガニスタンのみならず、世界各地で緊急救援、復興支援、平和構築、人権擁護、開発援助などの分野で充分に機能する可能性があると思います。なぜなら、政府の立場とNGOの立場は時に相反するものの、同時に相互補完的な関係を作ることも十分に可能だからです。
しかしながら両者の協力関係は、相互尊重、情報の公開、そして民主的で開かれた対話の場という前提なしにはありえません。残念ながら今回のできごとは、この前提をことごとく壊してしまうものでした。
実際の会議自体も「復興支援NGO会議」と銘打たれながら、NGOからの本会議報告者は在米アフガン人学者一名のみという内容。また、最終的に出席が認められたNGO二団体以外にも数多くの出席が認められなかった事実を考えるとき、決してNGOに開かれた会議と言えるはずがありません。
私たちが求めているのは、事前から会議開催に関する情報が一般に公開され、NGOが自らの意志で、民主的な手続きに基づいて参加することが可能であり、かつまた、発言権も民主的なルールに則って保障される、そんな国際会議です。
もちろん「お上の言うことをあまり信用しない」NGOもお上にタテ突くNGOも、そのことを理由に排除されるべきでないことは言うまでもありません。なぜならNGOは多様性こそが命だからです。そしてこの多様性こそが、人間を活性化させ、社会を活性化させ、地球を活性化させるエネルギーなのです。
国家のタテ型官僚機構だけでは急速に進むグローバリゼーションに対応することはできなくなり、国境を越えたヨコ型NGOネットワークとの協働が不可欠となってきている現在、多様性を受け入れない閉ざされた上意下達型の国際会議を開催する意味はほとんどなくなってきているのではないでしょうか。
私たちは、大臣、事務次官更迭に関わらず、NGO出席拒否事件の真相究明と市民・NGOに開かれた民主的な国際会議の実現を求めます! |
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ピースボート共同代表 吉岡達也
東京都新宿区高田馬場3-14-3-2F
電話03-3363-7561 |
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また、このアフガン復興支援国際会議への「NGO出席拒否事件」に関して、田中真紀子氏、野上義二氏、そして、外務省の責任者の方々に対して公開質問状を送付しました。
→公開質問状はこちら |
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ピースボート東京事務局(Tel:03-3363-7561)担当:中原・吉岡まで |
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