PEACEBOAT PRESS CLUB


●NO.53 9月4日号
先週のピースボート
南十字星クルーズ 神戸から出航
 第30回ピースボート「南十字星クルーズ」が、8月31日の正午、405名の参加者を乗 せて、神戸港ポートターミナルより出航した。45日間の船旅で、フィリピン、東ティ モール、オーストラリア、ニュージーランド、ニューカレドニア、パプアニューギニ ア、ミクロネシアに立ち寄り、10月14日に東京・晴海港に帰港する。
 神戸からは、新しい国づくりを進めている東ティモールへ届けるため、車、学校用 の机、いす、衣料品、遊具、楽器など、多くの援助物資を積み込んだ。東ティモール へは、独立後、初の客船寄港となる。また、東ティモールのサッカーチームをオース トラリアのブリスベンに招待して、いっしょにオリンピックで日本対ブラジルのサッ カー試合を観戦したり、洋上で南太平洋の先住民族会議を開催するなど、国際交流を テーマにした、多くのプログラムを予定している。
 船内や寄港地での様子は、ピースボートのホームページで毎日、最新情報が掲載される。

地球大学・夏休み体験ツアー実施
8月25日(金)から28日(月)まで、環境NGO「グループKIKI」主催による体験ツアー「流れる宝石 阿寺渓谷・板取川でキャンプ」が実施され、ピースボートからも23人が参加した。
長野県・阿寺渓谷、岐阜県・板取川は、ともにその豊かな自然と美しい景観で知られる場所。しかし現在、両地で揚水ダム(水を上げ下げすることで発電するダム)の建設が予定されており、現地の人たちを中心に反対運動が進められている。参加者は、グループKIKIのメンバーでピースボート水先案内人の田中優さんらとともに現地を訪問。沢登りや川遊びで大自然を満喫するとともに、反対運動のメンバーとの交流会にも参加し、ダム建設が環境に与える影響、これからの展望などについて話を聞いた。現地では、「ダムは環境を破壊するだけでなく、発電能力という観点からも無駄でしかない」という声を聞いたという。


今後のピースボート
ジャーナリスト金子貴一さんによる「ムスリムツアー」を実施
  31回クルーズ出航を10月に控え、国内での講座や体験ツアーを多数企画してきたピースボート地球大学。9月15日(金)には、水先案内人・金子貴一さんによる国内ツアー「東京ムスリム巡礼の旅」を実施する。
 金子さんは、エジプトなどアラブ世界に詳しいジャーナリストとして知られ、「地球の歩き方」エジプト編などの執筆も担当している。今回は、在日イスラム教徒の募金で完成したという代々木の「東京モスク」を訪問。イスラム教徒の文化や、多文化の間の摩擦などについて金子さんに解説していただく。
 なお、ツアーにはクルーズ申込者以外も参加可能。希望者は、ピースボート事務局(担当:高橋)までお問い合わせを。

地球大学国内エクスポージャー「日帰りで行く!東京ムスリム巡礼の旅〜近くて遠いムスリム体験!〜」
9月15日(金) 10:00〜 JR代々木駅西口集合
参加費:500円(交通費・食費は実費)
講師:金子貴一(ジャーナリスト)

東ティモールに初入港
 現在航行中の第30回ピースボートは、9月9日・10日、東ティモールに入港する。「独立」決定後の東ティモールを訪れるのは、客船としてはピースボートが初めて。
2日間の滞在中には、以下のようなプロジェクトを予定している。

◆コンピュータなどの物資を贈呈
 世界各国に援助物資を届ける活動を続けてきたピースボート援助チームでは、今回の東ティモール寄港に向け、コンピュータ60台 足踏みミシン21台、自転車100台などを収集してきた。また、東ティモール人選手のオリンピック参加を記念して、スポーツウェア、野球やバスケット、バトミントンなどの用具、元全日本代表選手の金田喜稔さんの協力を得て集めたサッカーボール120個も贈呈予定。これらは、2日間の滞在中、ピースボート参加者が職業訓練校や学校などを訪問する際に現地の人たちに手渡される。

◆河内家菊水丸さんが「オリンピックいってらっしゃい音頭」を披露
 2日間の滞在中には、農村訪問、コンピュータ学校などの職業訓練校見学、UNTAED(国連東ティモール暫定統治機関)について学ぶなどのプログラムが予定されているが、これに続き、10日の夕方からは、東ティモールの人たちを招いてのフェスティバルが開催される。この中では、東ティモールの子どもたちとのサッカー交流試合のほか、水先案内人としてフィリピンから乗船している新聞詠み河内音頭家元の河内家菊水丸さんが、東ティモール選手のオリンピック参加を記念して「オリンピックいってらっしゃい音頭」を披露する予定。
また菊水丸さんは、今年6月、食中毒事件に揺れる雪印に「東ティモールの子どもたちに安全な粉ミルクを提供してほしい」と要請。粉ミルクは実現しなかったものの、その代わりとしてビスケット約1500箱の提供を受けた。このビスケットは、ピースボートの寄港時に、現地の子どもたちに届けられる。

◆東ティモールのサッカーナショナルチームをブリスベンへ「招待」
 今月開幕するシドニーオリンピックには、女子マラソン、テコンドー、重量上げ、ボクシングの四種目に関して、東ティモール人選手の「個人資格」による参加が決定している。「国民的スポーツ」といわれながら、今回は出場が実現しなかったサッカー競技を支援しようと、ピースボートとオーストラリア・ブリスベン市が共同で、東ティモールのサッカーナショナルチームをブリスベンへと招待することになった。
 ナショナルチームのメンバー16名とコーチ4名は、10日にピースボートに乗船。オーストラリア・ダーウィンを経て、19日にブリスベンに到着する。ブリスベンの青年サッカーチームとの試合、ブリスベン市の受け入れによる強化練習などのほか、翌20日の夜には、ピースボート参加者とともに、オリンピック予選の日本―ブラジル戦を観戦する。

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