PEACEBOAT PRESS CLUB


●NO.48 7月11日号
先週のピースボート
NATO空爆から1年、コソボを訪問
 現在航行中の第28回ピースボートでは、7月2日にドブロブニク(クロアチア)に寄港。乗船者の内50名が、NATO軍による空爆が終了してちょうど1年目の時期に、4日間をかけてコソボ自治州を訪れた。参加者は、ピースボートの船上でより専門的な知識を得るために集まった「地球大学」のメンバーたちで、紛争後のコソボの現状を検証するために、クロアチア国境、モンテネグロ共和国国境を越えて、現地入りした。旧ユーゴ問題の専門家である千田善さんも同行し、とくに破壊が激しかったペヤ、ジャコバ、そして首都のプリシュティナを訪問した。さらに、NATO軍事基地内を見学したり、コソボのアルバニア人宅でホームステイ、戦没者の遺族との面会、少数派となったセルビア人との交流などのを持った。ピースボートでは、昨年以来、定期的にコソボを訪れており、次回は今秋11月に訪問を予定している。

エリトリア難民キャンプを訪れたスタッフが帰国
 現在航行中の第28回ピースボート「地球一周の船旅」では、日本より積み込んだ段ボール1600箱(15トン)を越える援助物資と共に、6月21日エリトリアへと無事入港した。うち約900箱の援助物資は、参加者有志の手によって約3〜4万人の難民が生活するとされる、ハレナキャンプへと運ばれた。
 ピースボート参加者とともにキャンプに入り、7月7日に帰国したスタッフの志村洋一は、「キャンプでは毎日約500人の難民が増えている状態。衛生状態、食料状態も悪く、特に5歳以下の子供が日に250キロカロリーしか摂取出来ていない、といった状況を目の当たりにし、大きなショックを受けた」と語っている。
 現地で難民救済の活動を行っているNGO、ERREC(エリトリア難民救済委員)のカレアブ・ハイレ氏(南部地区福祉担当)からは、「ピースボートの活動には感謝するとともに、今後の一層深い関係を期待する」というコメントも寄せられており、志村の報告によれば、まだまだ物資は足りていないのが現状で、ピースボートは今後も継続してエリトリアとの関係、難民救済に貢献していく必要があるという。次回エリトリアへは、今年10月15日出航の第31回ピースボート「地球一周の船旅」において、11月6日に入港する。

広島修道大学でピースボートスタッフが講義を行う
 ピースボート責任パートナー(共同代表)の1人である、櫛渕万里が7月6日広島修道大学にて講義を行った。ピースボート「地球大学」のアカデミックカウンシルメンバーの岡本三夫教授(元日本平和学会会長)の依頼によるものだ。岡本教授の「政治思想史」の講義の一環として、約150名の学生を前に、北東アジアの平和プロセスについて、また第29回ピースボート「アジア未来航海」で北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)を訪れる意義、市民としてNGOとしての役割について語った。


今後のピースボート
写真家・桃井和馬さんを招いた「茶話会」が決定
 7月21日、東京・高田馬場のピースボート東京事務局にて、世界を駆け巡るフォトジャーナリスト、桃井和馬さんを囲んで「地球の叫びを伝えたい」と題した茶話会を行う。1980年代後半にフィリピンの新人民軍に同行したり、フジモリ大統領誕生期のペルーを長期取材したりと、激動する20世紀末の地球を撮り続けた桃井さんは、第26回ピースボート地球一周の船旅に「水先案内人」(講師)として乗船している。
 現在ボリビアの日系移民の取材に現地へと飛んでいる桃井さんは、7月中旬に帰国予定。茶話会では、その興奮冷めやらぬボリビアでの取材を中心に、これまで桃井さんが訪れた世界の国々の現状と生きる人の姿について話していただく。事前の予約などは不要。なお、クルーズ申し込み者以外も参加できる。

日時:7月21日(金)19:00開始
場所:ピースボート東京事務局 JR高田馬場駅 徒歩6分 
参加費:無料

東ティモールで楽器を使って交流を
 ピースボートの航海で訪れる学校や家庭で楽器をともに演奏し、その後、楽器を寄贈することを目的とする「Happy Sounds」(ハッピーサウンズ)プロジェクトでは、楽器の提供を呼びかけている。8月30日より神戸港を出港する、第30回ピースボート「南十字星クルーズ」にて寄港する、東ティモールが寄贈先として挙げられている。
 提供を呼びかけているのは、リコーダー、アコースティックギター、カスタネットなどの電力供給がなくとも使用が可能な楽器類で、保存状態が良ければ中古でも構わない。
 同プロジェクトは、主にピースボート大阪事務局を中心に活動。単に「物資」としての楽器ではなく、「音楽は国境を越える」を合い言葉に、世界各地に暮らす人々との交流に期待がふくらむ。

楽器提供に関しての問い合わせ先は
ピースボート大阪事務局  担当:東條博子
〒530-0014大阪府大阪市北区鶴野町3-17 ファーストNレジデンス503
tel(06-6359-7207)/fax(06-6359-7217)
e-mail:aid@peaceboat.gr.jp

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