PEACEBOAT PRESS CLUB


●NO.43 6月5日号
先週のピースボート
ピースサポート2000がスタート
 一昨年から戦闘状態が続いてきたアフリカのエリトリアとエチオピア和平を目指した市民会議をピースボートが主催した。6月1日に来日した両国関係者の四名が、非公式会議を経て、3日(土)に東京・渋谷の東京ウィメンズプラザにて公開シンポジウムが開催された。「紛争解決にNGOは何ができるか」をメインタイトルにした公開シンポジウムでは、元エリトリア憲法制定委員会委員長のベレケット・ハブテ・セラシェ教授や元エチオピア憲法制定委員会のキフレ・ワダジョ元委員長らが登壇し、300名の聴衆を前に、それぞれが過去と現在の視点から未来のありようを語った。特に日本のNGOに期待する声から、すべてのNGOに対して懐疑的な声まで、さまざまな意見が飛び交った。
 また、四氏のスピーチに先だっては、岡本三夫・広島修道大学教授(平和学)や首藤信彦・東海大学教授(国際経営学)による講演もあり、ひじょうに充実したものになった。さらには、この集まりを契機として、戦後和平への協力や、両国が直面している飢餓難民への援助活動をすすめる有志の集まり、「ピースサポート2000」が設立された。当面は、ピースボート東京事務局に運営機関を置き、援助物資の収集などの運動を展開する。
 なお、エリトリア、エチオピアから来日された四名は、名古屋大学での「平和構築シンポジウム」(6月7日)などにも出席し、8日に帰国する予定。

船上で「アジアの民主化に学ぶ」フォーラムを開催
 現在航行中の第28回ピースボート「地球一周クルーズ」船上で、中国、韓国などアジア各国の民主化運動家を船上に招いてのフォーラム「アジアの民主化運動に学ぶ」が開催された。
 参加メンバーは、台湾独立運動家の康文皇さん、中国民主化活動家の李松さん、韓国で政治家の「落選運動」などに携った金達洙さん、そして香港の民主化活動家・黄静文さん。三回にわたっておこなわれたフォーラムでは、なぜ民主化運動に関わるようになったのか、自分の国をどんな社会にしてゆきたいのか、そしてそれぞれの国から見た「ニッポン」の姿についてなど、それぞれの体験に基づいて語った。
 中国、台湾、香港の活動家が一堂に会するというめったにない機会のためか、やや硬めのテーマながら、会場には10代、20代の若者の姿が目立っていた。

米国の反核活動家アレン・ウェアさんが乗船
 現在航行中の「地球一周クルーズ」に、米国の反核活動家アレン・ウェアさんが乗船、核問題に関する船内講座を開講して好評を得た。
アレン・ウェアさんは、国際司法裁判所に核兵器の違法性を問う裁判を1996年に実現させた立役者のひとり。現在も「核兵器禁止条約」の実現を目指して活動を続けており、国連の「平和の国際年」賞も受賞している。船内では、核兵器の危険性について、また核保有国である大国に、どのようにして禁止条約を批准させるかなどのテーマについて、ゲームをまじえたワークショップ形式でわかりやすく解説した。

カンボジアで地雷問題検証ツアーを実施
 5月28日に寄港したベトナムからは、8名の乗船者がいったん下船、空路カンボジア入りして、地雷問題を検証するツアーに参加した。ピースボートは、98年の「春風アジアンクルーズ」以来、カンボジア地雷撤去を支援する活動を続けてきている。今回のツアーでは、地雷被害者のリハビリを支援するNGO「カンボジア・トラスト」、ピースボートが資金面などで協力を続けてきた、地雷撤去と被害者支援をすすめる政府系団体「C-MAC」などを訪問した。
 さらに、地雷被害者が集まって設立した陸上チームのメンバーとも交流。ここには2年前のスタディツアーでピースボートスタッフが初訪問、日本のメーカーのスポーツシューズを贈呈した。メンバーのひとり、Nok Rothaさん(32歳)は、今年のカンボジア国内選抜大会でそのシューズを履いて出場し、3位の成績を収めた。そして、今秋シドニーで開催される障害者のスポーツ大会「パラリンピック」出場を目指しているという。
 ピースボートでは、今後もさまざまな形で、カンボジアの地雷撤去への支援活動を続けていく予定。今回の交流相手である陸上チームへの支援キャンペーンなども現在検討中だ。


今後のピースボート
地球大学「南十字星クルーズ校」が開講
 ピースボートのクルーズに参加しながら、世界各地でさまざまな現実を学び、平和のために行動する実践力を身につけようという地球大学が、南十字星クルーズ(8月31日〜10月14日)でも開講されることになった。クルーズに先だって開かれる国内講座も6月10日から開講される。地球大学は、「地球をキャンパスに」をキャッチフレーズにする、ピースボートならではの学びの場で、これまでにも第26回クルーズ以降の各クルーズにおいて、世界各地からの国際奨学生も交えながら実施されてきた。
 今回の南十字星クルーズは、「東ティモール」「先住民族」「戦争責任」をテーマにしており、地球大学もこれらのテーマに沿って講座や現地プログラムが設定される。なお、国内講座は、クルーズ参加の如何を問わず参加できる。
■第一回国内講座
「思いっきり東ティモール」(講師:松野明久さん[大阪外大助教授]、古山葉子[ピースボートスタッフ])
日時:6月10日(土)13:00〜18:00
会場:キリスト教会館6階(東京・西早稲田、地下鉄早稲田駅徒歩5分)
参加費:地球大学生1,000円/一般1,500円

■第二回国内講座
「世界に問われる先住民族のこれから」(講師:計良光載さん[『ヤイユーカラの森』運営委員長]
日時:6月17日(土)19:30〜21:30
会場:早稲田奉仕園50人ホール(東京・西早稲田、地下鉄早稲田駅徒歩5分)
参加費:地球大学生無料/一般500円

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