PEACEBOAT PRESS CLUB


●NO.32  2月25日号
先週のピースボート
マダガスカル訪問 豊かな自然と人々の暖かさに感動
 2月11日、12日、南回り地球一周をおこなっているピースボートが約600名の参加者を乗せてマダガスカル南部のチュレアルに入港。いくつかのオプショナルツアーに分かれて、キツネザルで有名なベレンティ公園や、バオバブ並木の夕陽が美しいムルンダバなど人気の観光地を訪れたり、チュレアル市内で若者たちとサッカー交流をしたりして、それぞれにピースボート初の寄港地を楽しんだ。
 港でのレセプションには、チュレアル市長、チュレアル県知事、そして外務大臣代理などが歓迎に訪れ、ピースボート訪問に対する反響の大きさをうかがわせた。
 11日の夕方にはチュレアル市内にあるスタジアムで、大交流フェスティバルが開かれ、学生たちによるマダガスカル南部各地の民族舞踊、バンド演奏などが披露された。ピースボート側からはユネスコの平和文化年のアピールをヒップホップで表現したパフォーマンスが演じられ、大喝采を浴びた。またピースボートの「ピースボール・プロジェクト」から市内の小・中学生へサッカーボールを30個、贈呈した。

サッカー解説者の金田喜稔さんがピースボート事務局を訪問
 2月10日、元サッカー日本代表選手で現在サッカー解説者の金田喜稔さんが、東京・高田馬場のピースボート事務局を訪問した。金田さんは、第26回ピースボート・北回り地球一周クルーズにも水先案内人として乗船。サッカー教室をはじめとする船内講座が大人気を呼んだ。日本で集めたサッカーボールを世界の国々に届け、サッカーを通じて交流しようという「ピースボール」プロジェクトにもご協力をいただいている。
 「高田馬場に来るのも初めて」という金田さんの話を聞こうと、集まったボランティアスタッフの数は約50名。金田さんは、北回りクルーズ乗船時のビデオを見ながら、「サッカーをしたくても、ボールがないという子どもたちもいる。世界にはそういう『サッカー』があるということを、日本でサッカーをしている人たちにもっと伝えたい」と語り、ピースボールのメンバーを激励した。

南アフリカでポールスモア刑務所を訪問
 2月16日に寄港した南アフリカ共和国・ケープタウンでは、「アパルトヘイト『後』をたずねて」と題したツアーの参加者が、かつてネルソン・マンデラ元南ア大統領も投獄されていたというポールスモア刑務所を訪問した。
 マンデラ元大統領がとらわれていた場所としては、ケープタウンの沖合いに浮かぶロベン島がよく知られている。このポールスモアは、そのあと彼が投獄されていた場所だ。現在は博物館として公開されているロベン島に対し、現在も刑務所としての機能を維持している。今回は、かつてアパルトヘイトの時代には、公然と拷問などがおこなわれていたこの刑務所で、看守が囚人を人間として対等に扱い、互いに暴力を使わずにやっていけるようにと、非暴力トレーニングを進めているNGO「CENTRE FOR CONFLICT RESOLUTION」の受け入れで訪問が実現した。
 約60名の参加者は、刑務所の大部屋や中庭などで、看守や囚人たちと交流。囚人たちは、日本という遠い国から訪問者がやってきたことにひじょうに驚いていた。この訪問をきっかけに、今まで出席を拒んでいた非暴力トレーニングに参加した囚人もいたという。ピースボート参加者も、当初は「刑務所」という場所に緊張の色を隠せなかったものの、徐々に打ち解け、熱心に質問する姿が見られた。

ピースボートセミナー「今、世界で何がおこっているのか」
2月19日に開催された第1回ピースボートセミナー「魔法の島・ガラパゴスの動物たち」 (講師:辻丸純一)には、スペシャルツアーでガラパゴスを訪れる、5月出航地球一周クルーズの参加予定者などが多数出席。カメラマンとして活躍している辻丸さんが撮影した豊富なスライドを交えて、ガラパゴスの大自然の魅力について語っていただいた。
第2回ピースボートセミナーは、フォトジャーナリストの桃井和馬さんを講師に迎える。

ピースボートセミナー「今、世界で何がおこっているのか」
3月4日(土)18:30〜 中野サンプラザ8F研修室
講師:桃井和馬(フォトジャーナリスト)
参加費:500円

 桃井さんは、日本国内はもとよりアフリカ、中南米など、世界中を駆け巡って、激動する20世紀末の地球の姿を撮り続けているジャーナリスト。「現代文明と人類のゆくえ」を追った一連の写真「地球素描」で、1995年「太陽賞」を受賞した。昨年、初めて水先案内人としてピースボートに参加した。

ボランティアスタッフセンター横浜が再開
 先月から1ヶ月の「お休み」をいただいていた、ボランティアスタッフセンター横浜が、2月22日(火)から再開する。活動日は毎週火曜日・水曜日。クルーズ参加呼びかけ、援助物資の収集など、横浜在住のボランティアスタッフの拠点として、さまざまな活動を進めていく予定。また、2月27日(日)14:00からは、当センターでのボランティアスタッフ説明会も開催する。事前の予約などは不要。

ボランティアスタッフセンター横浜
〒220-0023 神奈川県横浜市西区平沼1-31-6 長田ビル1F
TEL:045-290-4760

北朝鮮への船旅を企画 村山元首相を表敬訪問
 ピースボートでは、今年の夏に北朝鮮を寄港するクルーズを企画し、さまざまな情報収集をしながら可能性を探っているが、このたび超党派議員訪朝団の団長を務める村山富市元首相を衆議院議員会館に訪ね、朝鮮半島の政治情勢や訪朝の可能性についてお話をうかがった。日朝国交正常化がまだまだ進まないなか、市民どうしの民間交流が大きな力になる、ぜひとも訪朝を実現させてほしいと、激励の言葉をいただいた。


今後のピースボート
アボリッション2000 世界規模の核廃絶行動に参加
 今年の3月上旬はアボリッション・デイと名付けられ、世界中で核廃絶に向けてさまざまな行動が企画されている。具体的には、ビキニデイの3月1日から、NPT(核不拡散条約)が発行した日、3月8日までの8日間で、東京では3月4日(土)にシンポジウム「北東アジアの非核地帯化をめざして」が開催される。呼びかけ人の代表は三木睦子元首相夫人、国弘正雄、梅林宏道(太平洋軍備撤廃運動)らが務め、当日のシンポジウムには、村山富市元首相の参加も予定している。とくに朝鮮半島の非核化の可能性と、それに対する市民運動の取り組みの方法に議論の中心がおかれ、在日の韓国人の立場から、朝鮮人の立場から、それぞれ1名ずつのパネリストを招待している。ピースボートからは市民団体の代表として櫛渕万里が発言者として参加。核廃絶をめざすアピールの採択もめざしている。
 イギリスの反核活動家のアンジー・ゼルダーさん(トライデント・プラウシュア2000)の特別講演、インド映画『ブッダの嘆き』の監督、スリプラカッシュさんの特別アピールもおこなわれる。ピースボートは賛同団体に名を連ねている。
 3月4日(土)10時開場。三軒茶屋しゃれなあどホール(新玉川線三軒茶屋1分)。参加費1000円。
 第1部 10時30分〜12時 特別講演「地球市民の責任」(アンジー・ゼルダー)
 第2部 13時〜16時30分 シンポジウム「東北アジアの非核地帯化をめざして」

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