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●NO.25 12月6日号 |
先週のピースボート |
クルーズ乗船者がトルコの被災地へ
11月16日に寄港したギリシャのピレウスからは、スタッフを中心とする5名が一時下船し、大地震に見舞われたトルコを訪れた。
9月の震災のあと、ピースボートは全国に呼びかけて救援基金や毛布を集めてきた。それらを被災地に届けるため、急遽航路を変更してのギリシャへ寄港を決定。イスタンブールでの学生交流などもまじえたトルコ訪問を予定していたが、11月13日にトルコでふたたび大地震が発生。一時はツアーの取りやめも検討された。しかし、現地へ入ったスタッフの菊田恵理(25歳)が、現地で救援活動を継続しているNGOなどとも相談し、物資を届けることを再優先に、小人数でのトルコ訪問を実施することを決定した。
アテネから空路イスタンブールに入った5名は、2回目の地震で大きな被害を受けたというビュズジェへ。途中大型スーパーに立ち寄り、薬品、生理用品、粉ミルクなどを救援基金で購入した。これらの日用品は、以前にも増して不足しているのだという。
翌日は、当初から訪問を予定していたギュルジックのテント村を訪れた。ビュズジェなどに比べると、こちらはかなり物資の供給が充実しており、人々の顔も明るかったという。しかし、そのすぐ近くに位置するフィダンビックでは、政府からもNGOからもほとんど救援物資が届いておらず、ひじょうに困窮した状態が続いているとのことだった。そこで、急遽このテント村へも物資を贈ることを決定。人々からの要望がひじょうに高かったのは、冬用の暖かい下着だったという。9月にもトルコに長く滞在した菊田は、「状況はテント村によってまったく異なるということを強く感じました」と話している。
なお、毛布はピレウスから現地の貨物船でイスタンブールへ送られ、トルコ国内で活動を続けているNGO、HRDFの手を経て、被災地の人々へと届けられる予定だ。
スペイン・カナリア諸島で平和を考える交流会
11月26日(金)に寄港したスペイン・カナリア諸島では、約60名のクルーズ参加者がテルデ市を訪れ、現地の人たちとの交流会を開いた。テルデ市は、市議会がスペインのNATO加盟に異議を唱えて「非核地帯宣言」をおこなったことで知られる都市で、96年には日本の憲法九条を刻んだ碑が立つ「ヒロシマナガサキ広場」が設立されている。
最初に訪れたテルデ市庁舎で、市長からの平和のメッセージが読み上げられると、長崎出身の参加者が、自身の被爆体験などをまじえた自作の詩を披露。これに応え、現地の高校生たちも平和を訴える詩を朗読し、ユネスコ(国連教育科学文化機関)のプログラムのひとつである「マニフェスト2000」への署名をおこなった。これは、ユネスコが署名を集めている平和宣言文で、国連が制定した「平和文化の国際年」正式プログラムとして認定されているピースボートのクルーズでも、世界各国で署名を集めて2000年9月の国連総会に提出することになっている。
「ヒロシマナガサキ広場」で憲法九条の碑を見学したあとは、互いの文化を紹介しあう交流会に。テルデ市民が踊りや音楽を披露し、バナナを使った伝統的な料理をふるまうと、ピースボート参加者からは、凧や独楽などの日本の玩具が登場。折り紙を取り出して鶴の折り方を教える姿も見られた。
この交流会のもようは、現地の新聞「GRAN CANARIA」にも大きく掲載された。
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今後のピースボート |
ブラジルの子どもたちにコンピュータを送ろう
ブラジルでスラムに暮らす子どもたちのためのコンピュータ学校を開くNGO「コンピューター科学民主化委員会(CDI)」に中古パソコンを送ろうという「Passo(パッソ)プロジェクト」に、多くの問合せが寄せられている。
CDIは1985年に設立されたNGO。仕事を見つけることがひじょうに難しいスラムの中で、CDIの学校で学んだコンピュータ技術を生かして職を得た若者が数多くいるという。現在、ブラジル全体で80の学校があり、生徒数は1万2000人にものぼるが、今後もさらに規模を広げていくため、コンピュータの数が不足している。
「Passoプロジェクト」は、ピースボートほかいくつかの日本国内NGOの呼びかけによって始まったプロジェクト。集まったコンピュータは、来年1月からの地球一周クルーズでピースボートがブラジルに寄港する際、CDIの学校のひとつを訪れ、手渡す予定になっている。新聞誌上などで紹介されたこともあり、すでにかなりの数の中古パソコンが寄せられているが、ピースボートでは、引き続き協力を呼びかけていく。
問い合わせはピースボート事務局(03-3363-7561)まで。なお、コンピュータの機種などによっては対象外となるものもあるため、事前に必ず問い合わせを。
憲法九条を考える集いにピースボートスタッフがパネリストとして出席
12月11日(土)におこなわれる、憲法第九条をテーマとしたシンポジウムに、ピースボートスタッフの櫛渕万里が、パネリストの一人として出席する。
このシンポジウムは、護憲を訴える多数の市民団体のよびかけにより開催されるもので、国旗国歌法の制定など憲法の根幹に関わる問題がわき起こる中で、全国の市民団体のつながりを強めていくことを目的としている。櫛渕のほかにパネリストとして、姜尚中(東京大学教授)、金城睦(沖縄県憲法普及協・弁護士)、暉峻淑子(埼玉大学名誉教授)らが参加する。櫛渕は、今年5月のハーグ平和会議参加、朝鮮民主主義人民共和国訪問、そして「ヒロシマナガサキ広場」を持つスペイン・テルデ市との交流などの経験をもとに、世界から見た日本と憲法九条の役割などについて発言する予定。
シンポジウムの日程などは以下のとおり。
シンポジウム
「子どもたちの未来が危ない!〜壊すな平和憲法!いまできること、すべきこと」
期日:12月11日(土) 13:30〜 会場:労働スクエア東京
(地下鉄八丁堀駅下車すぐ)
入場料:500円
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